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『backyard』
駒はすでに動いている。札も出揃った。
盤上では、黒と白の駒が互いの陣地を奪い合い。
カードはシャッフルされて一つにまとめられて、テーブルに配られる。
そう。
これは始まりではない。これは途中経過に過ぎない。
一つの対局の端の端。
それを知っている。それを踏まえて、盤上に手を伸ばす。
指先が触れるのは───騎士の駒。
◇◆◇◆
「俺達の宿願の為に、まずは破滅を贈ってやる。初陣を飾れ、女王の騎士ども」
仮面の下で、唇が言葉を紡ぎ……その姿形は影もなくその場から消え失せた。




