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我が為ノ夢物語  作者: 好き書き帳
TRY ANGLE
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『回想/スライダー』

 ザイルの訓練はひたすらに地を滑ることだった。

 靴底に貼り付けたサーペント種の革をヴィエッタに何度も張り替えてもらい、より滑りの良いものに。

 ヴリテンの地面は荒れていて硬い。

 転んで口に入った小石を、吐き捨てる。


「はああ、あいかわらず、やりにくい土地」

 こんな土地じゃ、作物もろくに育たない。

 剣王国に放置された荒れた島。

 開拓しようにも、この土地には祖王の時代からの決まりがある。


『ここは女王の島。何人たりとも手を出すべからず』。


 それを破って島に上陸しようとした連中はいたそうだが。

 海蛇シーサーペントやクラーケンの餌になった。

 はたまた、白騎士の亡霊に斬り殺された。

 とも、云われている。


「そりゃ、女王様の墓に、土足で踏み込んだら、怒るだろ。返り討ちだ」


 ザイルは、擦り傷で血に染まったてのひらをズボンで拭いた。


「服を汚すんじゃないわよ!!」

 すかさず、ヴィエッタのビンタが飛んだ。

 頭にクリーンヒットした一撃は思いのほか痛かった。

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