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我が為ノ夢物語  作者: 好き書き帳
TRY ANGLE
29/78

『石の回廊』

「剣選が行われると?」


「そうでございます。第十三位継承権保持者、ファリスタ・ツァイク・フレイアル様が決議の場において剣を立てられます」


 ウィスタードは指をたてる。

「そして、剣は三つ。ダーイング様にはその一振りとなっていただきます」


 指をおり、続ける。

「残り二振りのうち一振りは、当店の者から選出させていただくという手筈」


 残り一本。

「ですが、あともう一振りが足りません」

 執事は眼鏡の位置を正す。

「そこで、レイゼン・オルグ・ルディラス様。貴方様にお尋ねします」

 レイゼンはごくりと、喉を鳴らした。


「再び『王剣』となる意思はございますか?」


 前侯爵の目には動揺と迷いがあった。


「ダーイング様……」

 レイゼンは答えを求めるように、ダーイングを見る。

 だが、ダーイングは何も答えなかった。レイゼンを無視して、ライアの前に立つ。

「おまえの仕事とやら見せてもらおう」

「では、こちらへどうぞ」

 ライアが向かうのは、応接室の壁に備えられた扉。

 執事とオーナーを残して、その小さな背に従業員たちが続いた。

 ダーイングもそれを追った。


 残されたレイゼンに男爵と執事が一礼し、近づく。

「ルディラス様、お時間はございます。ゆっくりとお考えください。──ウィス」

「かしこまりました。紅茶をお持ちします。どうぞソファでおくつろぎください」


 ウィスタードは、足早にその場を後にした。


「レイゼン様。とりあえず座りましょう」

 ウルガ隊長らに促され、レイゼンは応接室のソファに腰掛けた。


 ◆◆


 扉の奥には長い通路があった。

 どうやら隣接する建物を突き抜けているらしい。

 従業員たちはそれぞれ荷を持って、ライアを追い越し、先へ進む。

 ダーイングは『身体強化』で先を見据えた。

 その先にはまた『扉』があった。

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