第3話 入学式
入学式が行われる会場に入ると皇王が所属しているE組以外入場している。
「おい、あれ神宮寺桜花様じゃね?」という奴がいる。E組から聞こえてきたのが驚きだ。俺がいなかった3年間の間に、メディアでの露出を増やしたのだろうか。ここまでの知名度はなかったはず。神宮寺家のトップに立つため本格的に動いていたらしい。
「E組遅すぎだろ。」と誰かがいう。それにしてもE組への風当たりはかなり強いな。そこまで、遅れたないだろ。全員着席したないクラスあるし。
体育館の奥へ目をやると、クソ親父もいる。
俺は、花畑頭持とかいう変な名前をつけたクソ親父を殴りたい衝動に駆られながら着席した。
E組の皆が席に着くと式が始まった。僕の隣はカンナと仁平だ。
「ねぇねぇ、頭持?」小声で聞いてくる。
「どうしたんだ?カンナ」
「神宮寺家の人間のオーラやばくない?私さ、神宮寺家に憧れているの。だからね、神宮寺家の人間が身分を隠してE組に入学みたいなことがあったらいいなぁなんて都合のいい妄想してたわけ。だって、そんな神宮寺家の人間と恋仲になれれば万々歳じゃない。そして、今日訳ありそうなあなたを見つけた。だから、あなたが神宮寺家の人間じゃないかって疑ってたの。」
なんだ。見る目があるじゃないか。でも、すまないな、カンナ。俺は正体を明かせないんだ。わかったくれ。
「ふ、でもあなたは違うよね。だって全くオーラ感じないんだもの。溢れ出る小物感ってね」
ぶっ殺すぞクソアマ!なんだそれ。てか小物感って何?俺一応神宮寺の長男なんだけど?大物だよ?てかそんなオーラない?
「だから、要するに私が言いたいのはあんたみたいな小物相手にできないよってこと。まぁ、今の話聞かなかったことにして?よろしくね。」
殴りたい。超殴りたい。正体バラして超殴りたい。まぁ、でもこいつもわざわざ神宮寺家なんかに嫁ぎたいというほどだ。何かあるのだろう。そして、俺は、自分の従兄弟が喋っている登壇へ意識を向けた。
「生徒会長の挨拶でした」
あ、終わっちゃった。今生徒会長挨拶をしていたのは、俺の従兄弟の神宮寺空斗。俺の2歳年上だ。俺を九州へ追いやった人物の1人だ。こいつは殺す。九州では多くの人間が死んだ。俺の師匠もその1人だ。
その後、クソ親父もとい学園長挨拶が終わり、入学式は終わった。内容うっす。
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入学式後、E組の教室に向かった。そして、今は休み時間だ。
「はじめまして。僕は清宮大志だ。よろしく。大志と呼んでくれ。」
左横の席のやつが喋りかけてきた。ちなみに前はカンナ、後ろが仁平、右が凪風美羽だ。
「美羽もカンナも久しぶりだね。」と大志が言う。知り合いだろうか。
「僕たちは幼馴染なんだ。」
どうやら幼馴染らしい。
「カンナにも友達いたんだな」
あ、つい本音が
「どう言う意味それ?」
「カンナは可愛いすぎるからね。近寄りがたいって言う意味よ」と美羽が言う。
ナイスフォロー!美羽!
そんな話をしているうちに教室に先生が入ってきた。みんな静まり返る。
ちなみに、俺と大志たちが喋っている間、仁平は、蚊帳の外だった。