第二話 初めての厨二病
「あはははは!何よ花畑頭持って!変な名前w」
俺の横で大爆笑してる女は、西野カンナ。くっそそんな笑うことないだろ!先生が出席確認終えてからずっと笑っている。
「いい加減笑うのやめろよ!そんな笑う名前か?」
「いや、笑うでしょ!何よその名前!おふざけでつけられたのw」
ああ、そうだよ。クソ親父の悪ふざけでな!でもそんなことは言えず押し黙る。
「そこの美少女。そう笑うな。人の名前を笑うのはよくないことだよ。あ、俺の名前は、野中 仁平だ。俺は今悪の組織から命を狙われていてな。ふっ、だから俺の友達になることはお勧めしない。ただ、どうしてもなりたいというならなってやってもいいんだぞ?」
変な奴が、会話に横入りしてきた。うわー、こいつ厨二病だ。カンナなんてすげえ顔してる。てか、何がオススメしないだ。そんななって欲しそうにこっち見るんじゃねえ。カンナもカンナだ。お前なんとかしろとかいう顔で俺を見るんじゃねぇ。全く。どう返そうか。ここは乗るべきか。いや、ここで乗ったら俺の何かが失われる。ちくしょう。
「き、君は野中 仁平君だね。じ仁平って呼ぶよ。ここで出会えたのも何かの縁だ。よ、よろしくな」
めっちゃタジタジになった。しょうがないだろう。俺厨二病に耐性ないんだもん。それを聞いた仁平の顔はみるみる嬉しそうになっていく。なんか案外かわいいやつだな。
「ど、どうしてもっていうなら、しょうがない。こ、こちらこそよろしくな。頭持!」
そういうわけで俺と仁平は友達になった。その後カンナとも自己紹介をお互いにもう一度して友達になっていた。
この先どうなることやら、俺は項垂れるのであった。
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闘気 それは、人の身体能力を格段に上げるもの。闘気を纏えば、体は鉄よりも硬くなり、剣に纏えば、その剣は数十倍にも硬くなる。闘気は、ほぼ全ての人が扱えるが、少量であり、多く扱えるものは、貴族と呼ばれる財閥や企業の人物に限られる。庶民の中でもたまに多く扱えるものが現れるが、そのようなものは、金閣学園など闘気の授業がある学校へ進学する。
それから沈黙が続いた後、その沈黙をカンナが破った。
「ねぇねぇ、頭持って闘気使えるの?」
この学園に入れると言うことはカンナも闘気を扱えるのであろうが、どれくらいなのだろう。というか、この学園には、ある程度の闘気を扱えないと入れない。そのことをわかった上で聞いている。この質問には何かありそうだ。
「貴族に比べると少ないけど使えるよ。」
正体がバレるといけないので、嘘とバレない嘘をつかなくてはならない。
「本当に?名前も偽名そうだし、マスクもして、髪も染めてそうだもの。だから、訳あり入学なのかなと思ったけど、、、。違うかった?」
なかなか鋭い。こいつには早かれ遅かればれそうだ。
「違うよ。マスクをしているのは、顔に傷があってそれを見られたくないからなんだ。俺は、闘気の扱いじゃなくて頭の良さでこの学園に入ったようなものだ。それに正体を隠したところで僕にメリットなんてないよ。」
もちろん嘘だ。
「そう?今はその言葉を信じるわ」
引いてくれたみたいだ。
「カンナ。そう言うことは気軽に聞いてはダメなのよ。どんな理由があってもね。」
ここで知らない人が、会話に入ってきた。この子も美人だ。それもかなり。カンナは、幼さが残る美少女っていう感じだが、この子は美人という感じだ。カンナとも遜色がないんじゃないか。
「ごめんなさいね。会話に横入りしてしまって。私は、凪風美羽カンナとは、幼馴染なの。よろしくね?」
どうやらカンナの幼馴染らしい。頭も良さそうだ。
「そちらは、野中仁平くんね。よろしくね?」
さっきから会話に入りたそうにしていた仁平にも挨拶をする。
「よろしく!」
喋りかけられたのが、嬉しいのか満面の笑みで答える。
「扱いやすそう」ボソ
今美羽の口から言葉が聞こえたが、聞こえなかったことにしよう!
「はい。庶民のクじゃなくて、みなさん入学式会場にもうすぐ着きますので、気を引き締めてください」
と梅野先生が答える。ていうか、今、庶民のクズって言いかけなかった?まぁ、いいや。俺は、気を引き締めた。