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邂逅 0
親愛なる、テアへ――
前略
改めて、誕生日おめでとう!
君と出会ってもう一年が経つと思うと、とても感慨深い。
君が十八なんて、ね。
春休みにも会えて嬉しかったけれど、また今度一緒にワインでも飲みながらゆっくり過ごしたいです。
コンクールは、順調でしょうか。
この手紙を君が読む頃には、二次予選も終わっているだろうか。
きっと君のことだから、本選に進んでいることと思う。
例のことについては、春休みに話した通りなので、気兼ねなく、思い切り演奏を楽しんでほしい。
非常に残念なことに、演奏会の都合でコンクールには足を運べないけれど、遠くの地から、いつでも君のことを応援しています。
草々
君だけの「あしながおじさん」より――




