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夜の灯火  作者: 隠居 彼方
第8楽章
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春涙 0



親愛なる「あしながおじさん」へ――



拝啓


少しずつ暖かくなってきた今日この頃ですが、いかがお過ごしでしょうか。

私は院内コンクールに向けて、日々練習を重ねています。

初めてのコンクールですが、サイガ先生がこれまでと変わらないスパルタなおかげで、余計な不安や緊張を感じる暇もないくらいです。

友人たちも励ましてくれるので、彼らの応援に応えるためにも、このまま頑張っていきたいと思います。

他の生徒の皆さんもコンクールに向けて緊張感を高めているようで、もうすぐ迫ってきた春休み、私も負けずコンクール一色の日々になりそうだと思っていたのですが――。

それだけというのももったいないような気がして、学院の紹介で小さな演奏会に参加することにしました。

地方の小さな教会で、子どもたちのために行われる演奏会です。

ブランシュ領へ戻る途中に立ち寄り、一日から二日ほど滞在する予定です。いつものようにローゼと一緒というわけではないのですが、学院長先生も問題ないだろうと仰ってくださいました。

その時、"彼女の容態"についても聞きました。

油断は禁物とはいえ、その時が近付いている、それならばやはり、大げさな警戒はせずに行ってみてもいいかと、少しだけ楽観的になっています。

こうして楽観的になれるのも、おじさんのおかげです。

このわがままも、どうか、許してくださればと、思います。


それでは、近い内に会えるその時を楽しみにしています。

どうかお元気でお過ごしください。


敬具



テア・ベーレンスより――




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