表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
お父さんの冒険記  作者: 世界を愛するおにぎり
4/8

第3話 はじまり

続き




・・・んむぅ。


俺はどうやらベッドで寝かされていたようだ。



どのくらい経ったのであろうか?


キャシーは?


ゴブリンに連れ去られて一体どうしてしまったのであろうか・・・



「また・・・・あの夢だ・・・。」



俺がそんなことを考えていると、いつの間にか自分の口が喋りだした。


これは、ジョンか?



「あの5年前の悪夢から・・・・俺はまだ、立ち直ることができていないというのであろうか・・・。」



いつの間にか、ジョンの口調が僕から俺へと変化している。


というか・・・5年?一体何の話だ?



「くそっ!!」


ジョンは叫び、自分が寝るときに使っている枕に拳を落とす。


「キャシーは・・・キャシーは俺の弱さで連れていかれたって言うのに・・・俺は何にも成長してねぇ!!」



ジョンはそう叫ぶと、ベッドから立ち上がる。


「俺は、決めたぜ!もう、あんな思いをしないために今度こそ魔王の討伐に向かうと・・・。」


ジョンは拳を握りしめる。

そして、窓に映る自分へ向かって拳を突き出す。


「今日、俺は18になった。村長に村を出る許可をもらって、魔王を倒しに行くんだ!!」


ジョンはそう宣言した。



・・・・・・・・




・・・・・・・・・・・・・。



あれっ?

なんか、いつの間に5年経ってる??


もしかして、今のって回想シーン的な感じだったん?


そして、なんか宣言した割には、動き出せないんだけど・・・。

システム的な何かが働いているわけか??



そう思っていると、急に身体が動き始める。



そして、真っ先に向かった先はベッドだった。



『ジョンのベッドである。休養をとりますか? YES or NO』


こんなもん、もちろんノーである!

なんでさっきまで十分寝てたし、それに今、ジョンが気合を入れたとこではないか!

休んでいる暇などないのだ!


『それでは、よい夢を』


はっ??

おいっ。なんで寝てんの??


『HPとMPが全回復した。』


そりゃね!

というか、元から減ってないわ!ぼけっ!!



『ジョンのベッドである。休養をとりますか? YES or NO』


おい、おいっ・・・。

まさかとは思うけど・・・・・・。


『それでは、よい夢を』


いや、寝ねぇーよ?

なんも疲れてねぇーよ?


『HPとMPが全回復した。』


いやいや、俺結局寝てないけど?

何このくそシステム。

ストーリー進める気がなさすぎるだろ!!


『ジョンのベッドである。休養をとりますか? YES or NO』


おいっ!!

もうええわ!!




※このあと3回ぐらい繰り返した・・・。



はぁーーーー。

なんなん、この不都合すぎる身体・・・。

言うこときかんし、なんか強要されるし・・・・・・。


もういい加減にしてくれよ!


『ジョンのタンスである。棚の奥から、低級ポーションを発見した。』


ほう、なかなかの慧眼ですなぁ。

準備もできたところだし、そろそろ村長に話に行かないといけないですなぁ。


『ジョンのタンスである。中には何もないようだ。』


うんっ?

今だしたとこではないですか?


『ジョンのタンスである。中には何もないようだ。』


いやっ、だから、中には何もないんだって・・・

何回繰り返す気なんだよ・・・。



『ジョンの部屋の入り口である。準備ができたら出発する』


えっ、まだなん?

ごめんなさい。準備まだやったわ。


『ジョンの部屋の入り口である。準備ができたら出発する』


お、おう。

まだやね、準備は・・・。


『ジョンの部屋の入り口である。準備ができたら出発する』

『ジョンの部屋の入り口である。準備ができたら出発する』

『ジョンの部屋の入り口である。準備ができたら出発する』


おいおいおい!

当てつけか?

俺に対しての当てつけか?

準備がまだやーゆうとうやろ?

いい加減に理解してーなぁー。


『ドアの入り口に何か立てかけてあるようだ・・・。手に取りますか?』

『YES』

『木の棒を手に入れた。』


手に入れたって木の棒かよ・・・。

こんなもの使ってたら、すぐに折れちまうよ!

あと、今俺が来てる服ってパジャマだし・・・。

なんか鎧とかないのかな??


『どうやら、冒険の準備が整ったようだ。早速村長の元へ向かおう!』


えっ?

俺、パジャマなんですけど・・・。




―住み慣れた家の階段を降り、家の扉を開ける。そこには、いつもよりも少しばかり明るい世界が広がっていたー


『ローグタウン』


ほう、ゴブリンが襲撃してきたときは、よく周りが見えていなかったけど、こうして改めてみるとすごく自然豊かな村なんだな・・・。


家の周りには、腰の高さほどの柵が陳列しており、その柵でどうやら家の区画を分けているようだ。

更に、柵はちょうど芝生と砂利の境目に設置してあるようで、とても人工的に整備されているようには感じなかった。

それくらいに、あまりにも均整のとれた区画整理がなされていた。


向かい側にある家にも同じように区画整理がなされていた。

向かいの家は、俺の記憶が正しければ幼馴染キャシーの家だ。


なにやら、こうやってみると少しばかり悲しい気持ちになってくるもんだ・・・。


とりあえず、心の中で手を合わせて・・・・・・っておいっ!



ジョンは急に足早に向かい側にある家へと動き出す。

そして、おもむろにドアを開けた!


呼び鈴とかしろよ!


とは思ったが、おそらく幼馴染だったのでそこら辺は寛大な心で許されていたに違いない。



―開け放った扉の先には、長い間誰も住んでいない空気がたたずんでいたー



「どうやら、ここにはもう誰もいないようだ。」


ジョンはそう言ってこの場所を離れた。

心なしか、声のトーンが下がっていた気がする。


気を取り直して次の探索へいこう!

そして、ジョンはドアノブへ手を伸ばした。



―開け放った扉の先には、長い間誰も住んでいない空気がたたずんでいたー



「どうやら、ここにはもう誰もいないようだ。」



ジョンはそう言ってこの場所を離れた・・・。

いやいや、なんで?

ジョンにとってここは辛い記憶の場所なんだよ?

なんで強行突破しようと思うわけ?

おのれ・・・キチガイめーーー。


俺は、表には出さないジョンの心に素直に感心してしまった。

そして、よく理解ができていないシステムに対して憤りを感じていた。



さすがに気持ちが通じたのか、キャシーの家の周りをぐるぐると舐めるように移動したかと思うと、違う場所へ向かい始めた。


次に向かった場所は、ジョンの家から北側に位置する家だ。

なにやらビンのような看板を掲げている。

この家は1階建てのようだ。

さっそく中に入ってみた。


中に入ると、少しお歳を召した風貌の短髪でボーイッシュな髪型に、人生の年輪を刻まれたお姉さまが立っていた。


ジョンは、どうやら中を物色するようだ。

すると、おもむろに建物の端においてあったツボをつかんで・・・・割った。


はっ?

なにやってんの?

普通に器物損害なんだけど・・・。


『中にはなにも入っていなかったようだ。』


いやいや、なにも入ってなかった。

じゃねぇよ!

普通に、人んちの・・・ましてや何か売り物扱っているお店でそんな事しねぇーよ!!


そして、ジョンは次なるツボを割った。


『中から“低級ポーション“を手に入れた。』


えぇーーー。

低級ポーション出てきちゃったよ!

絶対それ賞味期限あったら切れてるって!!


というか、そうじゃなくて人んちの物割って、さらに中身を持っていくとか・・・ただの泥棒やん・・・・・。



どうやらツボは二つしかなかったようだ。



ジョンはその場を後に――――すなぁーーーーーー!!


おいおい、ジョンさんよー。

ツボは割ったままですかい?

だれが片付けるんですかいな?

片付けるのは俺らだろ??


とりあえず今から―――――あれーーー?

いつの間にか、割れたツボの破片がなかったかのように・・・・。

くっ、こいつに普通を叩きこみたかったのに・・・。


なんて思っている間に、ジョンはお店を後にした。



結局、店員とは話をしないのかよ!



次はどうやら隣接した家に入るようだ。

看板には剣と盾が交差したものが掛けられていた。



次の話は1週間以内には・・・・なんとか、、、かんとか

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ