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お父さんの冒険記  作者: 世界を愛するおにぎり
2/8

第1話 ディスティニーアナザーストーリー

都合により、本日2月2日より本編開始!


僕のお父さん、神代真人かみしろ まなとは、とてもすごい人だ。

いろいろなことに気が付く人だし、実力は本物で大手企業の2番手を務めるほどの尊敬できる人である。


ただ・・・人というものは、過去に何かしらの(あかし)を残して生きているのだと僕は改めて知った。

父という人物をみれば、誰もがきっと昔からとても真面目でものすごい努力家で、常に周りに気を配り続けてきた人生を送っていたのだと想像してしまうだろう・・・。

実際、お父さんの息子である僕もそうだと思っていた。


しかし、僕のこの手元にある本がなぜだかそれを否定してくる気がする。

分類はあくまでも日記だ。

お父さんの小さいころの記憶をきっと書き留めてあるに違いない。


それだけならば、きっとすごい人の過去が知れるんだ・・・ちょっと見てみようかな?ぐらいの感覚で手に取るに違いない。

でも、そんな気持ちをはねのけてしまうほどのパワーワードがここには書かれていた。


「ディスティニー アナザー ストーリー」


えっ?

なに?


お父さんってそんな子供だったん??


それよりもあの生真面目で凄いお父さんが・・・・プププっ。


おっと、いけない。

きっとお父さんだって真剣だったはずだ。

人の過去を笑っちゃいけないよね?


それに、中身がまだ変なことだって決まったわけじゃないけど・・・ププっ。


そんなわけでお父さんの名誉挽回(笑)を図るためにぜひとも日記を確認しようと思う。

タイトル「ディスティニーアナザーストーリー」


俺は、そんなタイトルのゲームを買った。

タイトル名なんて、どう考えても幼稚なネーミングだと思う。

しかし、俺は何故かこのゲームを買ってしまった。きっと運命(ディスティニー)だったと思う。

タイトルにちなんで・・・・なんつって。


こほんっ、まぁそんなわけで俺はこの幼稚なネーミングセンスの塊なゲームを買ったのだ。ちなみに現在執筆している俺、真人は現在20歳である。


意外と日記はちょっと語りチックだけど普通だと思った。ちょっと語りチックだけど・・・

なんだ、ゲーム買った話かよ・・・。

せっかくお父さんの弱みをつかんだと思ったのに―――――。

俺は、そんなわけであまり面白くないのでは・・・・と思いながらも先を読むことにした。

せめて1日目の日記くらいは読むべきだろうと思ったからである。


しかし、そんな軽い気持ちで読み始めた日記がまさかあんなことになるとは夢にも思わなかった。


「ディスティニーアナザーストーリー」というゲームは、テレビゲームが主体となっている。

そんなわけで俺は、なけなしの財産をうってゲームとゲーム機を買ったのだ。

今思えば本当になぜ買ったのかわからない。きっと疲れていたんだと思う。

しかし、よくわからない理由で買ったゲームであったとしても、全くプレーしないのは節約家である俺にとってもったいない状況である。


今は大学が持っている学生寮を使用しており、俺の部屋は3階の隅であった。

この学生寮にはエレベーターがないため、階段を使って部屋の隅まで移動する必要があり、時期は蝉が騒ぐ時期ということもあって、俺は背中に汗を垂れるのを感じながらやっとの思いで部屋にたどり着いた。


さっそく、たどり着いた部屋で買ったばかりのゲーム機を広げてセットする。

この時のことは何故かひどく記憶に残っているが、よくよく思えばいつもは誰かとすれ違う学生寮でだれともすれ違わないばかりか、人の気配も全く感じなかったような気がする。


来ていたTシャツを脱ぎ、タオルで雑に汗を拭きとり着替える。

あまりに暑かったため、普段は扇風機で済ませるが、この日はエアコンのスイッチを入れた。


準備が整ったこともあり、さっそく俺はゲーム機のスイッチを入れた。

普通のゲーム機であれば、その機種に対応したロゴなどが現れたりするはず。

しかし、この時のゲーム機はいきなりゲームのタイトルが表示された。

タイトル画面も凝ったものではなく、ひどくシンプルな表示画面。

そして選択肢は「さいしょからはじめる」しかなかった。


もちろん、俺は「さいしょからはじめる」を選択した。




すると、俺はいつの間にかベッドで寝ていた。


んっ?どういうこと?

ベッドの上でゲームしてたとか?

あー、普段やりなれないゲームだから疲れて寝落ちしたのかな?

それにしても「さいしょからはじめる」で寝ちゃうってお父さんもそんな感じだったんだ・・・。

なんか急に親近感が湧いてくるなぁー。

まぁ、いいかっ!

とにかく続きが気になるなぁー。


俺は、目覚めて気づいた。

ここは・・・・「知らない場所」だ。


俺は一体どこにきてしまったのだろうか?


まずは、今自分の身の回りを整理してみることにした。

1つ目、今いる場所は不明であるが木で作られた昔ながらの家っぽい場所である。

2つ目、どうやら、いる場所は一つの部屋のようで、6畳くらいの部屋にベッド一つと机が一つ、そしてタンスが一つある簡易な造りのようだ。

3つ目、その部屋には窓ガラスが二つあり、ガラスを作る技術はあるのだと感じた。

4つ目、これがかなり重要なのだが、どうやらガラスに映る自分の姿は、気持ち少し幼く感じたということだ。普段から自分の顔を見ているせいなのか、違和感を感じた。

5つ目、あまり日本っぽい雰囲気はしないものの、感触などがあることから夢の中ではなくおそらく現実世界である可能性が高いと感じた。


以上の事から、俺は死んだわけではなく、どこかの現実世界に移動させられた可能性が高いと推察した。




そして、俺の名前は「ジョン」である。

歳は今年で18歳。

そして俺には、これまでずっと仲良くしてきた「キャシー」という幼馴染がいる。

今日は、そんなキャシーに告白をしようと思う。


はっ?

どういうこと?

なんでお父さんが急にジョンになったの?

てか急展開過ぎて意味不なんだけど・・・


それに幼馴染のキャシーって誰だよ!!



あれっ?


なんなんだこの流れ込んでくる記憶は・・・・

それに俺の名前は・・・・・「ジョン」だ。


くそっ、まるで身体言うことがきかない。

それに、誰なんだキャシーって。

俺の幼馴染とかいう細かい設定とかマジでいらないから。


ただ、俺の身体はどうやら言うことを聞いてくれないようだ。

目覚めた2階建ての家を玄関まで向かい外に出る。

幼馴染の家は、道を挟んで斜め反対側にあるようだ。

街並みは、なんだか見たことあるような「ザ・地面は芝生」みたいな光景で何故か建物は、立派なログハウスのような建築物が多かった。

そして、どうやら俺は自動で身体が動いて幼馴染の家である玄関の前にたどりついた。

幼馴染の家は、うちの家と同じく2階建てでキャシーの部屋は2階にある。


コンッコンッコンッ


ノックが3回鳴り響く――――



しかし、返事がないようだ。



と思いきや、人が勢いよく近づいてくる音がした!!



バタンッ!


勢いそのままにして開かれた扉には、小学生高学年くらいの女の子が立っていた。

きっと、妹なのだろう・・・。


俺は、姉がいるかどうか確認してほしいと言おうとした・・・・。


だがしかし、次の一言で俺は世の中の常識を疑った。


「あっ!!ジョン!!この間幼馴染の私を置いておいて帰ったわね!!」



えっ?

幼馴染?

ふぁっ?



どうやら、俺の幼馴染はずいぶんと若かったようだ・・・。


明日も更新します。

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