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前編

   

 噴水の縁石に腰を下ろした妹と、その傍らに立つ私。風の強い日ならば水飛沫が吹き付けてくるかもしれないが、今日は穏やかな天気なので大丈夫だろう。

 私たち二人は駅前の広場で、待ち人が来るまでの時間をのんびりと過ごしていた。


「少し早く来過ぎちゃったかな」

「そんなことないわ。時間ぴったりよりは、余裕ある方がいいでしょう?」

 妹の呟きに笑顔で返すと、彼女も同じ表情で頷く。

「うん、ここならば涼しいもんね」

 軽く振り向いて、後ろの噴水に目を向ける。私はそんな妹を眺めていたので、二人とも通りを行き交う人々の方は見ておらず……。

「おーい!」

「冬美さん、待たせちゃったかな?」

 背後からの声で、待ち合わせ相手の到着に気づかされた。

「あれ? 智樹くんと倫太郎さん、二人一緒に来たの?」

「違うよ、夏帆ちゃん。駅の改札のところで、ばったり会ってさ」

「どうやら同じ電車だったらしい」

 倫太郎はこちらに顔を向けている。智樹くんの補足というより、私に話しかけているのだろう。

「あら、そうなの」

 軽く相槌を打ってから、ワンテンポ遅れた返事も口にした。

「大丈夫、たいして待ってないわ。私たちも今来たばかり」

 こうして今日も、私たちのダブルデート、つまり休日の恒例行事が始まるのだ。

   

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