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一度終わった世界  作者: 70
1/1

~暗闇の中で~

どうも70です。

こういったものは初めて書くので至らない部分も多いかと思いますが、少しでも読んでいただければ嬉しいです。

...

...


 ふと目を覚ますとそこは辺り真っ暗だった。

そして僕はそんな真っ暗闇の中横になっている。

体を動かそうとしたが全く動かせない。

まるで金縛りにでもあっているようだ。

こんな状況に陥っている原因を考えてみる。

...

...

 

 少し考えてみたが原因が分からない。

それどころか自分が直前まで何をしていたか、どこに住んでいるのか、それはおろか自分の名前すら分からない。


「なんだ起きちまったのか」

するとそこに場違いなほど能天気で明るい声が響いた。


 声のする方を向くと、そこには1匹の熊がいた。

といっても体は動かせないので視線を向けたといった方がいいのかもしれないが。


「あ、え...く、くまがしゃべったぁ!?!?」


 僕はとても驚いてしまい、つい大声を出してしまった。

何がなんだかわけが分からない。


「おいおいそんなに驚くなよ。何年も一緒に旅をしてきたじゃねえか。寝ぼけてんのか。」


 謎の熊にそういわれたが全く心あたりがない。

やや落ち着きを取り戻して目の前の熊をじっくり観察してみる。

熊が喋るということに驚きすぎて気づかなかったが、よく見ると熊の体の色は全体的に紫だった。

僕の記憶の中では紫色の熊なんて見たことも聞いたこともない。

しかも極めつけは宙に浮いてるときた。

何なんだ...一体。


 そんな困惑した僕を見て熊は


「寝ぼけてるわけでもなさそうだな。とするとこれはあの魔法による後遺症か、それとも自分で自分の記憶に蓋しちまってるのか...。

まあいい。改めて自己紹介すると俺はベアル。熊のべアルだ。」

「べアル...。」


聞いたことが確かにある。しかし思い出せない。


「あーもうめんどくせえのは嫌いだ。寝起きで悪いがお前には今から二択から一つを選んでもらう。

まず一つ目はもう一度この暗闇の中で眠ってもらうことだ。

  二つ目はここを抜け出して外の世界に行くことだ。」

「え、えと...急に言われても。」

「たく、優柔不断なのは昔から変わらねえな。おススメは断然一つ目だぞ。」

「え、昔から...って僕のこと知ってるの???」

「あぁ、よく知ってるぜ。昔からな。」

「えと、なら僕のこと教えてよ!何も覚えてないんだ。名前すら...」


 しかしべアルは教えてくれなかった。


「すまねえが教えることはできねえんだ。俺の魔法に反することだからな。」


 俺の魔法?どういうことだ。記憶がなくなったのはべアルが原因なのか?

困惑していると、


「俺が直接教えることはできねえ。どうしても取り戻したいってんなら自分で取り戻すんだな。旅でもしてみればいいんじゃねえか?」


 ...旅か。


「旅。つまり外の世界に行くこと。でもその選択肢はおススメしてないよね?」

「ああ。旅をすればおそらく、いや確実にお前は記憶を取り戻すだろう。しかし全ての記憶を取り戻した時お前は、こんな記憶思い出すんじゃなかったと後悔するだろうなぁ。

まあ決めるのはお前だ。」

「...それでもかまわない。何でこんなことになったのかどうしても知りたいんだ!」

「...いいんだな?」

「ああ」

「分かったぜ。そんじゃ今からお前を外の世界に戻す。外の世界に戻ってからは何しようとお前の自由だ。せいぜい楽しい旅になることを祈るぜ。」


 べアルがそう言うのと同時に俺の体は光に包まれた。

 これから俺の旅が始まる。

でもなぜだろう。旅とは普通わくわくすることなのに今はなぜか憂鬱だ。

記憶を取り戻したいのは確かだ。

...でも取り戻したくない気もする。忘れてるはずの記憶を知りたくないということは一体どういうことだろうか。

...まあいい、知らずにもやもやしたまま過ごすくらいなら後悔してでも記憶を取り戻したほうがいい。

......意識が朦朧としてきた。



「そうだお前、何も覚えてないっつったよな。てことは名前も分かんねえのか?」

「...ああ...そうだ。」

「これから旅に出るっつうのに名前も自分の魔法すら知らないんじゃ話にならねえな。まあ今お前の魔法について色々教えてやってもいいがめんどくせえ。名前だけ言うぞ。後は外の世界に無事着けば何とかなるから安心しろ。」


 ...おいおい、無事着けばって、まるで無事に着かないこともあるみたいな言い方だな。

 ...それに魔法?俺は魔法が使えるのか?

 だめだ。意識を保てそうに..ない。


「言いか。一度だけしか言わねえからよく聞けよ。

お前の名前は

黒木竜だ。」


...黒木竜。それが俺の名前。

それと同時に俺の意識は完全に途切れた。











読んでいただきありがとうございました。続きが気になると思っていただけたのならば感嘆の極です。

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