天皇とは日本国の究極の最高の神聖安全装置(ホーリー・セイフティ・システム)である(試論)
古代天皇は文字通りの大王であり
君主的存在だった。
それがやがて、、おそらくは奈良時代ころからすでに、、
日本国の象徴的存在へと転化している。現実政治からは引退して?
日本国の守護聖人?的な立場にシフトしたのである。
奈良時代にしても結局は天皇というシンボルを戴いての
有力諸侯の委託政権だったのである。
天皇から委嘱されて?蘇我氏が実際の政治を担う、。
そういう構図がすでに確立していたとみるべきだろう。
やがて平安時代には藤原氏が
そして次は武士が台頭して、平家が
源氏が
実際の政治を担った。
平清盛にしても
太政大臣であり天皇の任命なのである。
源氏にしても
征夷大将軍であり
天皇が任命権者である。
だから各地の諸豪族たちも源氏や平家に従ったのである。
天皇が任命したのだから、、まあしょうがない?従おう?
ということなのです。
例えばあの蒙古来襲の時、
北条時宗は一致団結して戦わなければフビライハンを防げるものではないことを
中国からの帰国僧などの情報で熟知していた。
だが時宗には日本全国の武士団に命令して招集する権利も力もなかった
で?
どうしたか
時の天皇(亀山上皇)に依頼して国難だから武士たちの召集の宣旨を出してくださいと申し出たのだ。
この宣旨により
諸豪族も「時宗ふぜいに命じられたら行くまいが天皇(上皇)の宣旨とあらば致し方あるまい」
、、、と、参集したのである。
あるいは、あの一世の風雲児、織田信長にしても
天皇を廃して自分が皇帝になろうなどとは全く考えないという日本の政治風土がある。、
また秀吉はこう述べている
「俺のような尾張の百姓が、とうとう関白様にまで出世したぞ、どうだ。寧々よ」
、、と天皇からの関白の賜姓に大喜びしている
あの秀吉でさえ
自分が天皇を倒して、廃位して、、自分が天皇に成り代わろうなどとは夢にも持っていないのである。
ところが、、諸外国を見れば前政権の王様は次の覇者によって斬首されて廃位されるのが通例である。
だが日本では。。。
実際の最高権力者であった歴代の
蘇我氏も
藤原氏も
平家も
源氏もできなかった。
というか天皇を廃位するなど考えもしなかったという事実である
誰も天皇に成り代わろうとは思わない。
なぜなら天皇は日本国の守護聖人?であり
日本の教皇?だからである。
だから、、天皇から実際の支配権のお墨付きを
もらいたいとしか思わない。
それが太政大臣であり
征夷大将軍である。
あの家康も征夷大将軍の肩書で満足している。
天皇を廃位して自分が天皇に成り代わるなどは全く思ってもいないのである。
この日本の特殊性とは?いったいなぜなのだろうか?
中国では歴代王朝は簒奪者の王政であり
そこには覇者の道理はあっても、
神託された大義名分はない。
だから次の覇者は
前王朝を滅ぼして斬首して実権を得ても
そこに何ら不徳はないのである。
ところが天皇はごく古くから古代からすでに
現実の政治的実権を放棄して?
日本的な霊道の守護者としての地位に退き
いわば日本国の全体のシャーマンとして君臨するという道に転化してしまったのだ。
こうなると、、
たとえ覇者が出てきても、このような日本守護のシャーマンキングを、
廃位したりしたら、日本人全体から総すかんを食らってしまい
現実政治の運営など不可能となるのである。
だから源氏も平家もただ天皇からの
現実政治の統治のお墨付きをもらうことで大満足だったというわけである。
太政大臣とか
征夷大将軍とか
誰も天皇になりかわろうなどとは思わなかった。
というか
そんな危険は冒す気はなかったということです。
とはいえいなかったかといえばいたことはいました。
例えば、、平将門です。
彼は天皇へ反旗を翻し
「新天皇」を自称していますね。
まあ あえなく滅ぼされてしまいましたが。
やがて戦国時代を経て
家康が征夷大将軍を戴いて300年間実際の政治を行います。
ですがやがて
江戸幕府が滅び
徳川慶喜は
征夷大将軍を天皇に返上します。
つまり大政奉還です。
もともと現実政治を天皇から委嘱されて300年やってきただけですから
返上も可能なわけです。
明治時代は天皇から任命されて薩長の諸侯が現実政治を担いますね。
だがその後軍部が暴走して、結局日本は大敗退。
だが軍部はまだ本土決戦などという
民族絶滅の妄想を信じて暴走
それを最終的に抑え込んだのも
いわゆる玉音放送ですね。
天皇がポツダム宣言受諾
これで軍部ももう何もできなくなってしまったというわけです。
だがその後、
天皇が米英に裁かれる?という大危機が
かろうじてそれを逃れてまあ言ってみれば
天皇を残すという実を取ってGHQの粗悪な?
日本国憲法案を受諾することに、、、。
そして今のこの日本があるというわけです。
GHQは当初、天皇を裁き、あわよくば?死刑にしたいと考えていたのかもしれない?
彼らからすれば、天皇はヒトラーやムッソリーニのような傲慢な独裁者?にしか見えなかったからである。
だがGHQは実際にオキュパイド(占領政治)してみて、そうではないと分かった。
もし天皇を死刑にでもしたら?日本国民は断固としてアメリカに抵抗するだろうという事実が分かったからである。
そう、
天皇はいわゆる覇者としての諸外国のような「王様」などではなかったからである。
日本国憲法にもあるように天皇とはアメリカ人から見たら
日本霊道のシンボル的存在であり、それが古代から続いてきたという事実です。
つまりシャーマンキングです
霊道の教祖?的な存在なのです。
祭祀者?であり
日本霊教?の教皇です。
あの日本共産党ですら
ホームページで天皇についてこう述べていますね
「、、、、だから私たちは、四十二年前に綱領を決めたときも、実際にはもっと前からですが、「天皇制打倒」の旗をかかげたことは一度もないのです。」
え?そうだっけ?
そうなのです
今現在の天皇はシンボルであり何の実権もありませんが
考えてみれば天皇が実権を握って現実政治をおこなったなどというのは
ワカタケル大王のころまでで、、、
その後は先ほども書いたたように
古代からすでに、。
天皇はシャーマンキング(霊道の王)になって現実政治からは手を引いてしまっていたのです。、
これをごく単純に言うと、、
天皇は日本霊道の主催者、守護者ということになります。
こういう存在ですから仮にも自分が日本人だと思っているならば
誰も天皇にとってかわろうだのとは誰も夢にも思わないということです。
だから過去のどんな覇者も天皇から現実政治権を委嘱されればそれで大満足だったのです。
ということは日本において天皇を超えるようなとんでもない独裁者が生まれることは絶対ないのです。
これが今の言葉で言えば
天皇制とは日本国の究極の最後の安全装置である
、、、ということなのである。
批判をおそれずに言うと、
天皇は日本の究極の安全弁だということです。
もっと正しく言うと
天皇は日本霊道の守護者であり教導者である
ということです。
まさに日本の精神世界のホーリー・キング・オブ・キングスなのです
それが天皇なのです。
よって世界の王侯の中でも
天皇の地位はローマ教皇と同列であるという
世界認識からもそのホーリー性がうかがえることでしょう。
なお天皇はエンペラーでありキングではありません。
いま世界でエンペラーを称するのは日本の天皇のみです。
天皇とは日本人の民族の正当なる守護者の象徴であり
継承者です。
日本国と日本人が遠く縄文時代から連綿と受け継いできた
文化、伝統、日本語、大和心などの
自然祭祀や民族心性の体現者であり継承者です(、、、、、の象徴です)
それが天皇なのです。
それが遠く古代から今現在までも連綿とつづいているというのは
まさに
「世界の奇跡」「歴史の奇跡」なのです。
そんな民族は世界で日本だけです。
ただしこの伝統がこれからも継承され続けるか?
今グローバル化だとか
男女平等だとか
フェミニズムだとか
民主主義だとかの
外国文化の美名のもとに
皇室と天皇制を悪しくゆがめようとする勢力が存在する。
そういう勢力はあるいは外国かぶれの似非右翼の仮面をかぶって
皇室を亡き者にしようと図る勢力の回し者なのかも知れないのです。
そういう意味では今天皇と皇室は最大の危機なのかもしれません。
歴史学で
「森林が失われた国や民族は滅亡する」というテーゼがあります
日本においては
それは、、、、、、
「天皇がいなくなった日本は伝統と祭祀を亡失し去って、民族の心が滅亡する」
と、、言い換えることができるのでしょう。
民族の伝統や
民族の心が失われたとき
それは
もう日本人ではない一種異様な西洋かぶれの?亡失民(失われた民)でしかないのです。
今、、、日本はその瀬戸際?
分かれ目?
あるいは、、、、
その破滅の入口に差し掛かっているのかもしれないのです、、、、、、、、、、、、、、、、、、、。
(注)あくまでも私の個人的な見解です