なんか招待された
結局教皇のゴーレムに捕らえられたわけだが、その後は本当に何も危害は加えられず、またしても転移でどこか屋敷のような場所に飛ばされた。
というか転移で強制的に飛ばせるのなら、ガーゴイルやゴーレムとの戦い本当に意味なかったな?
いやマジで何のために俺は吐きそうになるほど戦わされたんだ。
「君の現時点での力を見たかった。護衛はどの程度必要かとね」
「えー」
そして何やらでかいソファが向かい合わせに置かれた部屋に通され、教皇とさしで顔つき合わせてるわけだが、マジで何したいのこの爺さん。
ルーナと子供作れと言うのもなあ。
突拍子無さ過ぎて驚きが先に来たが、なんか違和感があるというか。
まだ何か隠してそうなんだよな。
むしろ俺相手に全部さらけ出すわけないだろうし。
「あと君は絶対何度か逃げるだろうから、捕まえるのにどれくらい戦力が必要かとね」
「逃げると分かっててこのゆるさなのかよ」
何せ剣は取り上げられることなく俺の腰にあるままだ。
なんなら今すぐ抜刀して教皇に斬りかかれる距離だが、多分やっても防がれるんだろうなあ。
というか仮にここで教皇を殺せたとしても、バレたら世紀の大悪人として指名手配されること間違いなしだ。
……本当に教皇という立場が厄介だなこの爺。
「ふふ。やはり君はゴッタの言う世間知らずの馬鹿ではないようだ」
「ええ……。俺村からほぼ出たことないし、世間知らずなのは間違いないと思うんですけど」
というかなんでゴッタは俺とほとんど話してないのに馬鹿だと断言してんだ。
クラウディアさんにしてやられた腹いせか。
「私は馬鹿というのは省みることができないものだと思っている。無知は罪ではなく、知ろうとしないことだ」
「うーん」
それはちょっと分かるが、結局俺をどうしたいんがこの爺は。
茶をしばくついでの話し相手にするためにさらったわけでもないだろうに。
「それも目的の一つだが」
「マジかよ」
「お小遣いを渡すから。ちょっと何日かこの街を見て回るといい」
「マジかよ」
お小遣いくれるのかよ。
マジで何がしたいの。
「この街は広い。とても一日で見て回れるものではないだろう」
「はあ。観光でもしてこいと?」
「そうだね。気の向くままに見て回るといい」
そうにこやかに言う教皇に裏はない……ように見える。
あったとしても俺ごときに見破れるわけがないだろうけど。
まあしばらくは言われた通りにするしかないか。
逃げてもあっさり捕まるだろうし。
「そういやここって何処なんですか? 大きい街だってのは分かるけど」
「ああ。言ってなかったかね」
そう教皇は、本当にうっかり忘れた様子で言った。
「ここは聖都カプラ。女神教会が本部を構えるアルバス国の首都だよ」




