虫の女王
俺は片っ端から、虫をキルしていく。人間側は離脱が2名、戦闘不能が4名。14人で1100匹を相手にする。状況は決して良くない。虫を60匹くらいキルしたが、更に増えていく。虫の強さはプロクラスだ、この数では簡単にはいかない。
「人間側が21人になった! 誰!?」カニパンが叫ぶ。
バン! バン! グシャグシャ。「GL中部支社の柊オズよ」オズは虫を2匹キルした。
『カニパン、オズは俺より強い。大幅な戦力アップだ』
「スカイ、世辞はいい。今は目の前の敵に集中しなさい」
『了解! バラバラに戦っても勝算はない。拠点を設けよう』
「みんなにチャットするね。どこを拠点にする?」
俺はマップを開いて確認する。
「スカイ、島の中央に虫の女王が居る。女王は今、バリアで守られていて行動不能。何か企んでるわ」
『なにそれ……それなら、すぐには動けないかな? ここ船着き場から北東の採掘場にしよう』
詳しく話を聞くのは採掘場に着いてからだ。
「虫に取られる前に移動だね。動ける人にチャットするよ」
俺達は警戒しながら団地、一軒家、集落を抜けて採掘場に着く。ここは北と南と南東に平屋の建物が連なっており、休憩室が複数、火の見櫓などもある。まだ誰も来てない。
『オズ、どうして虫が人口縮小計画だって判った?』
「ハッキングしたのよ。スカイがウォーパークⅩの質疑応答の時に人口縮小計画だと言ったから調べていたの」
『クラッキングだろ。GLに背いてるし、クビになるぞ?』
「私の事はいいわ。それより、GLが人口縮小計画を始動させたのは事実。止めなければ」
『それと、虫の女王ってなんだ?』
「虫の末端まで統括するボスよ。…………虫の被害が報告されたわ」
『どんな被害だ?』
「服役中の受刑者がGLに繋いだ瞬間に寿命を剥奪されたみたい」
『俺も前科持ち……他人事じゃないな』
「GL関係者は無事だけど、それでも世界の秩序は大きく乱れる。ここ、日本を中心に」
『外国人のトップランカーはどうなってる?』
「明日にならないとログイン出来ない。……誰か近付いてくる」
バサッ。草むらから3人のアバターが現れた。
「人間側の拠点はここですか?」
『ああ、そうだ。この採掘場なら守りは固いし、虫の女王をすぐにキル出来る』
「ちょっと待て! ハンドルネーム、スカイだと!?」
「スカイ君と知り合いなの? ロック」
『何!? ロックだと!?』
「よう、久しぶりじゃないか、スカイ」
『ヒューイとロック、プロゲーマーになったのか!?』




