VRゲーム『ウォーパーク』
次の日の朝、俺は御飯を食べてから学校のサッカー部の部室に行く。
『やあ、飯田君。おはよー』
『佐久間先輩、おはよー。スカイでいいよ。他の2人は?』
『部長はもうすぐ来ると思うよ。カミユ先輩は今頃18歳問題に取り組んでる』
『18歳問題なんてやるだけ無駄なのに』
『スカイ君がまだ12歳だからだよ。18歳に近付けば近付くほど必死になる』
『1つ気になったんだけど』
『何?』
『GL部ってここだけ?』
『いや、他にもGLをやってる部活はあるけどVRゲームに特化したのはサッカー部だけだよ。“ハイパーテオブロマ”や“ウォーパーク”っていう対戦シューティングゲームのプレーが出来るのもサッカー部だけ。やってみる?』
『うんうん! やるやる!』
俺は自分で首のプラグを繋ぎ、筐体に座り、ヘッドマウントディスプレイを装着する。
『慣れてるね。初心者ならウォーパークが良いだろう』
パッと、画面が白くなる。
「スカイ君、まずはアバターを決めよう」天から佐久間先輩の声が聞こえた。
『分かった』
俺はざっと見る、航空自衛隊のユニホームがあった。俺はそれを選ぶ。ピコン。
「お支払は寿命、クレジットカードどちらになさいますか?」
「スカイ君……やってくれたね。ハハハ、部費が1万円、パーだ」
『佐久間先輩、安心して。稼ぐよ』
「稼ぐって。寿命は賭けられる年じゃないのに?」
『お金なら大丈夫でしょ』
「おいおい、賞金でも狙うのかい? 18歳以下は金銭も賭けちゃダメだよ」
『なら賞金を取るよ』
俺はGLにログインして、その中のウォーパークにインする。
100個のテーブルの内、初心者マークが付いてるテーブルを横切り、ハイリミットのテーブルにエントリーする。
「バカ! スカイ君、何やってる!?」
『まあ、見ときなよ。俺は雷電為右衛門の子孫説がある男だ』
「相撲をやるんじゃないんだよ!?」
『代々自衛隊の家系だ。安心して』
「どっちだよ!? あ〜あ〜、始まっちゃう」
パッと、画面が戦場に変わる。
「新規ご登録ありがとうございます。飯田スカイ様、12歳ですね。ハイリミットにはイン出来ません」音声ガイダンスが流れる。
『じゃあ、ローリミットで』
「かしこまりました。まず、操作方法をチュートリアルで済ませて下さい」
『分かった』
俺はウォーパークの操作方法を学ぶ。使える武器はハンドガン、アサルトライフル、スナイパーライフル、手榴弾の4つ。本格的なVRサバゲーだ。
「スカイ君、ウォーパークは出だしから30人、キルすると1000円の賞金だ。1回でもキルされたら強制終了だからね」
『了解! サバゲーなら得意だ!』
「3、2、1、スタート!」