(第8章)ウォーパークⅩ
その日の夕方、俺はGLにログインする。サトルが居るといいけど。
俺はトップランカー専用のチャットを確認する。今現在ログインしてるのは25人、みんなハンデ戦に行ってる。サトルはログインしてない。リアルが忙しいのかな? とりあえず、ハンデ戦を消化するか。……5人対400人、制限時間10分のテーブルがある。消化するには丁度いいな。アサルトライフルのフルオート可だ。俺はエントリーする。ランカーは1ダイにつき5分の寿命を取られる。10キルにつき1分の寿命をくれる……割りに合わないぞ?
「3、2、1、スタート!」
近未来街のステージだ。アサルトライフルがフルオート出来ても意味ねえよ!
――10分後、結果は650キル15ダイ。ちょっと精細を欠いた。また、ミルクってユーザーに殺られた。俺に恨みでもあるのか?
こんなコンディションじゃサトルに勝てないな。ピピピ、画面の上にオフィシャルインフォメーションが出た。【サイバーエメリッヒ、当社に所属のユーザーに報告。ウォーパーク2は今月で配信終了します。新たにウォーパークⅩにバージョンアップします。くれぐれも一般ユーザーには内密にお願いします】4月は色々と改編の時期だな。それにしても、何で“3”じゃなくて“Ⅹ”なんだろう? オズに聞いてみるか。
俺はログアウトして、オズに電話を掛ける。
ピッ。「スカイ? どうしたのよ、急用?」
『オズ、ウォーパーク2がバージョンアップするらしいが、なんか聞いてる?』
「ああ、そのこと。もうオフィシャルインフォメーションを読んだのね」
『何で2からⅩになるの? 普通は3でしょ』
「ウォーパークは大幅改修されるのよ。今まではプラグに筐体を繋いでると言ってもプレーヤーの動作はパターンが決まってた、脳の負担を減らす為に。サイバーエメリッヒ社の幾つかのゲームを統合してウォーパークⅩとなり、完全フルダイブ式になるの。例えば、手振れがあるだけで、それがプレーにも反映される。その代わり今までよりズッと自由に動けるわ。銃を2丁同時に使えたり、シールドも装備出来る」
『なぜ、そんな時にスカウトした? いつプロジェクトが発足した?』
「前にも言ったけど、私の差し金じゃないわよ? サイバーエメリッヒ……いや、GLは最初からこれを目指していたみたい」
『軍人は有利だな』
「スカイは軍関係者でしょ?」
『ズタボロだけどね』




