格の違い
俺は中部警察署の備品室のGL筐体に繋ぎ、先回りする。銀行強盗が起きた支店さえ判れば、トラッキングは楽だ。
おそらく、犯人は複数。GLに繋ぎ、寿命を搾取するつもりだろう。俺は強盗が発生した支店からログインした場合、ウォーパーク2のテーブルに強制移動させるよう、サイバー課の警察官に言っておいた。
「スカイ、聞こえるか?」
『ああ、聞こえてるよ。犯人がまだ来ないんだけど』
「あと5秒で来る。現場は白木さん達に任せよう」
『ゴンゾウのオッサンは大丈夫なのか!?』
「白木さんは射撃の名手だ。安心してていいよ」
『不安だ、アハハ』
「……来るぞ!」俺は待ち構える。
いきなり10人が入ってきた。「なんだ、ここは!?」
「クソゲーの中に入っちまった!?」
『おい、雑魚共、俺が相手だ』
「誰だ、テメーは!? ……公式ユーザーだと!?」
『俺に勝てば100年の寿命が得られるぞ』
「おもしれえ、やってやろうじゃん。時間稼ぎはさせねえからな。ルールはショートステージ一撃死復活なしにしろよ」
1人対4人か、楽勝だな。
『いいのか? そのルールだと自分が殺られたら、しばらくログアウト出来ないぞ?』
「3、2、1、スタート!」
「ごちゃごちゃうるせえ!」パン! パン! パン! いきなり撃ってきたが、全てハズレだ。
「コイツ、確かに100年も賭けてやがる! いただき!」ダタダダダダ――。全く当たらない。
俺はアサルトライフルでほぼ同時に4方向に撃つ。全殺だ。
「ユー ウィン パーフェクト!」
『ジャック! 現場に突入!』
「了解!」
俺は画面のメニューを開き、電磁ネットを選択して、行動不能となった犯人達に被せる。これで5分は大丈夫だ。
「……了解! スカイ、ログアウトしていいよ。銀行を制圧した」
『分かった』俺はログアウトする。
『スカイ様、お疲れ様です』ゆうこは見守ってくれていたようだ。
『スカイ、お手柄だよ。ゲームの腕は本物だな。良かったら、警察のサイバー課に入らないか?』
『アハハ、やめておくよ。今はサイバーエメリッヒ社の社員だ。でも虫の事もあるし、今後も協力はするよ』
ピピピッ。『そうか、まあ、いいだろう』
『ウェアラブル端末が鳴ってるぞ』
『白木さんからメールだ。えーと、銀行の前で合田ツヨシという男が酔いつぶれていたようだ。犯人の一味かな』
『合田ツヨシだと!?』
『知り合いか?』
『学校の同窓生だよ。でも酔いつぶれてたって……まだ18歳だぞ?』




