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世界は私を中心に回ってる

また、視点が替わります。

――私の親はネグレクトだった。“仕事が忙しい”はその理由にならない。ケチでシッターも雇ってくれなかった。親友を近くで見守るのが唯一の精神安定剤だった。ストーカーと呼ばれたこともあったけど、めげずに見守り続けた。

 私は大農園を受け継がなければいけない。人口爆発により、食糧不足が深刻。この近山農園には政府の資本も入っている。簡単に潰す訳にはいかない。

 私が中高一貫校に進学した理由は2つ……メルとスカイ君を守る為と学校で農園の働き手をスカウトする為。メルとスカイ君が仲良くなってくれれば、私も嬉しいけど、どうやら2人の仲は冷めてしまったようだ。あのGL部の部長をやってた女のせいかな?

 私は分かっていた。自分が狂ってることを。私は事切れていた。田舎の満員電車に乗る。また、ターゲットに……。また、嵌められる……。

『この人、痴漢です!』私は後ろに立っていた禿げた男の腕を掴み、高々と掲げる。

『俺はやってない! 何かの間違いだ! 冤罪だー!』男は焦ってる、様見ろ。私をちゃんと育てなかった親に文句言えよ、ウフフ。

『寿命2年で許してあげるよ』

『2年!? そんなに取られたら生活出来ないよ!』

『じゃあ次の駅で降りて。警察への言い訳を今から考えなさい。これだけ証人が居るんだからね』

 私は大農園の一人娘、警察も下手に手を出せない。この世は私を中心に回ってる。

 ある日、私は寿命が貯まっただろうから銀行からおろす事にした。その前に警察署に示談寿命がいくら貯まってるか確認しに行く。

 私はフルオートマチック車に乗り、中部警察署へ向かう。いくら“御布施”が貯まってるかな、ウフフ。

 警察署の駐車場には黒色のスポーツカーが2台並んで停まってる。防犯カメラさえなければ、小石で傷付けてやるのに。

『大変だー! 銀行強盗発生! 銀行強盗発生!』

『えっ!? 嘘!?』危なかった、銀行に直接向かっていれば、巻き込まれていたのかな?

 私は警察署の中に入る。辺りは騒然としてる。仕方ないか、今時、銀行強盗なんて起きるんだから。

『大変な時に悪いんだけど、私宛の示談寿命トータルいくらかしら?』受付の人形AIに聞く。

『こっ、これは近山ミノル様。また、被害に遭われたんですね? 寿命7年6ヶ月の示談寿命がありますが、銀行経由ですから今はゴタゴタしてますよ』

『どうせ底辺労働者の暴動でしょ? さっさと鎮圧して。私は忙しいのよ』

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