(第7章)銀行強盗
正直、メルが怖い。俺はアパートを出てメルを見付ける。
『メル! これを見ろ!』俺はメルに近付き、左手を見せ付ける。
『……寿命103年!? はっ、犯罪で稼いだの?』まあ、半分犯罪みたいなものだけど。
『プロゲーマーの収入で年俸12年ある。それにカケ造じいちゃんが贈与してくれた。分かったら帰ってくれ』
『…………さよなら』メルは帰っていった。迷惑な奴め!
俺はジャックに通話する。
「スカイ、おはよう。虫について進展があったか?」
『ジャック。大変だ、俺の母さんが圏外に行ったらしい。もしかしたら虫の手掛かりは圏外かもしれん』
「圏外か? 下手に動けないな。被曝してしまう」
『カミユも圏外に逃げた。何かあるぞ』
「もう一度カケ造氏から話を聞こう」
『じいちゃんは今、京都に出向してる』
「リニアで行ってないだろうな?」
『リニア便だけど、それがどうした?』
「テレビを観てないのか? 速報で中部と近畿の間で土砂崩れがあってリニアが緊急停止したようだ」
『なんだって!? じいちゃん、無事だといいけど』
「今、外か?」
『ストーカーを追い払ったところだ』
「モテる男はつらいな、ハハハ」
『ジャック。笑えない、アハハ』
「今から中部警察署に来てくれ。虫とストーカー対策をしよう」
『分かった、すぐに行くよ』
俺はゆうこを連れてGTRで中部警察署に着く。
警察署の駐車場の空いてる所を探し、停める。一番端で隣にはブラックカラーのエキシージが停まってた。下手にぶつけたら高く付く。
『ゆうこ、ソッと開けろよ? 隣はエキシージだぞ?』
『レーシングカーですね。買うとしたら寿命11年ってところです』
俺とゆうこは警察署の中に入る。ジャックが丁度地下から上がってきた。『よう、ジャック。ロータス・エキシージなんてハイカラな車、誰が乗ってるんだ!?』
『エキシージ? ああ、私のだよ』
『ジャックかよ! 儲けてやがるな。隣に停める時にドキドキしたんだからな』
『資産運用のプロさ。スカイも買おうと思えば買えるだろう?』
『俺は日産R32スカイラインGTRで十分だよ』
『ほう、良い車を買ったじゃないか。復刻版でもなかなか良い玉は出てこないからな。さあ、行こうか』
『ジャック…………ゴンゾウは元気か?』俺はためらった、交通課の連中が噂話をしていた事を言おうかと。
『白木さんなら相変わらず低空飛行だよ』
「ピピピ! 銀行強盗発生! 銀行強盗発生! 全署員は会議室に集まって下さい!」




