ヒューイとロック
次の日の朝、俺はチキンバーガーとオニオンリングを電子レンジで温めて食べる。あんまり美味しくない……やっぱ出来立てだな。
『ゆうこ、出掛けるぞ』
『…………スカイ様、おはようございます。どこへ?』ゆうこの立ち上がりが遅くなってきた、バッテリーの交換時期かな? 帰りにドックに寄ろう。
『実家に帰省する、といっても車で5分くらいだな。それとドックに行こう、バッテリーを交換してやるよ』
『ありがとうございます』
俺はGTRの運転席に乗る。ゆうこは助手席に。
『ゆうこ、念のために母さんが自宅に居るか確認して』
『……居ます』
『調子が悪そうだな。先にドックへ行くか?』
『お願いします』
俺はGTRを運転して近くの総合病院へ行く。GTRのエンジンE―RB26DETTは良い音色を奏でている。
病院は人間、動物、ロボットの治療や修理をタダでしてくれる。
『ゆうこ、全体メンテナンスも忘れるなよ? 帰りは徒歩で帰れるか?』
『はい、分かりました』
俺は病院のエントランス前にGTRを停めて、ゆうこに降りてもらう。
『しっかりと直してもらえよ』
『スカイ様、私は大丈夫です。お気を付けて』
俺は実家に着き、GTRから降りて玄関のドアを開ける。
『母さん、ただいま』…………。
あれ? 返事がない。居ないのかな? ゆうこがドックに入ってる間に出掛けたか。俺はウェアラブル端末で母さんと通話を試みる。…………出ない。急用かな? 仕方ない、出直すか。
俺は取り敢えず実家の中に入り、冷蔵庫に付いてるホワイトボードを見ると【ヒューイ君とロック君が日本に来る】とメモされていた。ヒューイとロックは俺と同い年の従兄弟でアメリカに住んでいる。何しに来るんだ? 俺はマジックペンで【重大発表がある、連絡待つ。スカイ】と書き加えてアパートへ帰る。
帰りの途中幹線道路に入る手前で警察の検問をやっていた。飲酒運転撲滅ウイークだ、18歳の俺には関係ないな。
前の車が捌かれていき、俺の番になり、ウインドウを開ける。『どうも』
『ドライバーさん、読み取り機に手をかざして』
『はいよ』ピッ。
『……えーと、飯田スカイ。18歳でGTRなんて生意気だな。盗んだ物じゃないよね?』
『GLで買った車だよ。プロゲーマーで稼いでるんで。なんなら中部署のジャック・來夢に聞いてくれ』
『ジャック・來夢!? 窓際キャリアか、その内クビになるかもよ?』
『嘘だろ!?』
『もう行っていいよ』




