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前の車、後ろの車


 俺は復刻版R32スカイラインGTRを運転して近所のハンバーガーショップに向かう。芳香剤も置いてないのに車内は独特の良い香りがする。教習所で一度運転してるから、車の特性は掴んでいる。エンストしそうになると電気モーターがサポートしてくれるから安心だ。

 しばらく走ってるとポツポツと雨が降ってきた。買ったばっかりなのにツイてないぜ、トホホ。俺はワイパーのスイッチを入れる。

 俺はハンバーガーショップに着き、ドライブスルーに入る。注文しようとした時、ザーザーと雨足が強くなってきた。雨の音が煩くなってきてマイクとスピーカーで意志疎通が難しい。

『雨の音が煩いから店内で買うね!』俺は大声で言う。

「分かりました!」

 俺はGTRを発進させると前の客がいた。すると雨はやんできた、夕立か。

 数分待って前の客が動き出すと支払電光掲示板には寿命25分と表示され、後続車が来た。

 俺は素知らぬ顔で窓口に車を停めてウインドウを開け、読み取り機に手をかざす。店員もどしゃ降りで気付かなかっただろう。車種は違うが、同じボディーカラーだ。

『お買い上げありがとうございま〜す。お気を付けて』

 バーガーの種類は何でもいいや、腹が減った。そのまま受け取り、走り出す。ルームミラーで後ろを見ると、店員と客が口論してるようだ。後ろの客の注文だけど代わりに俺が寿命を払ってるから問題ないよな……?

 俺はアパートに着き、慎重にGTRをバックで駐車場に停める。無事に帰ってきてホッとしてる。

 俺はハンバーガーショップのビニール袋を持ち、GTRに鍵をかけて部屋に入る。

『おかえりなさいませ、スカイ様。車を買われました?』

『ゆうこ、バイクも買ったぞ』

『それは無駄遣いですか?』

『いや、有意義遣いだよ。カケ造じいちゃんが昔乗ってた車の復刻版だぞ。俺の名前の由来にもなった』

『そうですか、大切になさって下さいね』

『ああ、勿論』

 俺はハンバーガーショップのビニール袋を開ける……。チキンバーガーにフィッシュバーガーにオニオンリングにフライドポテト……。チーズバーガーは食べたかったけど、まあ、いいか。

 後で怒られるかな? アハハ。

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