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スクラッチ


 自宅のアパートに着いた時、もう夕方だ。1日の過ぎる感覚が早く感じる。

 俺は送迎車を降りると、ゆうこが待っていた。

『スカイ様、遅かったですね。チップメモリーの解析は終わりましたか?』

『これからってところかな。家の中に入ろう』

『はい。ドアの内鍵を3つにしておきました』

『ゆうこが改造したの? キュアー専用なのに?』

『はい、頑張りました』

『賃貸だから、あまりいじるなよ』

『スカイ様、付加価値です』

『アハハ、そうだな』

――俺はカケ造じいちゃんが持ってきた猪肉を厚切りにしてフライパンで焼く。『ゆうこも食うか〜?』

『スカイ様、冗談は顔だけにして下さい』トホホ、辛辣な冗談が返ってきた。

――俺は猪肉ステーキを平らげる。洗い物はゆうこに任せて、GLにログインする。今日もウォーパーク2をプレーしよう。

 ウォーパーク2の隣にスクラッチ売場が出来ていた。ここでウォーパーク2で稼いだ奴から巻き上げるシステムか。俺は冷やかしに行く。

「いらっしゃいませ。何口をご希望ですか?」ロボット店員が応対した。

『一口いくら?』

「寿命5分です」

『最高いくら?』

「20年分の寿命です」

 遊びで数口くらい買ってみるか。

『5口くれ』これくらいなら、別に良いだろう。

「ありがとうございます。5口ですね」

 ピーカタン、ピーカタン――ビービービー!

『当たった?』

「おめでとうございます! 2等の寿命5年分です」

『おっ! ラッキー。18歳問題で挫いた寿命を取り戻した』

「次は何口買いますか?」

『急いでるんだ。ウォーパーク2をプレーしなきゃ』

 俺は急いでウォーパーク2のテーブルに着く。テキトーに入ったから、細かいレギュレーションを確認するのを忘れた。ここはハイリミットか?

「ああ! スカイ先輩ですか?」

『お前…………森じゃないか。元気か?』

「はい! おかげさまで。ところでスカイ先輩」

『どうした? また迷惑メールか?』

「いや、そうじゃなくて……ここはローリミットのテーブルですよ」

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