合格
俺は仮想シティをR32スカイラインGTRで走る。パワステなのにステアリングは重い。クラッチも重い。流石はレースの為に造られた車だ。
一旦停止は停止線から1メートル以内に停める。ウインカーは30メートル手前で出す。道路に障害物がある場合、一旦停止して対向車を行かせる。細い路地でサッカーボールが飛び出してきた。すかさず急ブレーキを踏む。
ダメ出しされながら1時間ほど走る。
「実地試験は合格です。最後にペーパーテストを受けてもらいます。それに合格すれば免許を交付します」
『バイクは?』
「バイクはそのあとです。ペーパーテストは100満点中80点以上で合格です」
俺はテストを受ける。大体分かる。引っかけ問題には引っかからない。
――ペーパーテストは96点で合格となった。
「一度GLからログアウトして休憩しますか?」
『いや、いい。続けてくれ』
「分かりました。では続いてバイクの実地試験を受けてもらいます」
『分かった』
仮想教習コースとバイクが数台並んでいる。
「お好きなバイクをお選びください」
俺はテキトーに選ぶ。ヤマハか。まあ、いいだろう。
右手がアクセル、フロントブレーキ。左手がクラッチ。右足がリアブレーキ。左足が変速機だ。
バイクに乗るのは初めてだが、大体勝手は分かる。
「仮想コースを5周して下さい」
『分かった』
発進する時、クラッチの繋ぎ方が怪しかったが、そつなくこなす。
バイクの運転が面白いから10周くらいした。風を感じる。五感にフィードバックされる。
「合格です。ログアウトして受付へ行って下さい」
パッと画面が白くなり、【合格です。お疲れ様でした】と文字が出る。
俺はログアウトして部屋を出ると、『もしかして、スカイ? スカイじゃない』と声を掛けられる。誰だ!?




