チップメモリー
俺とカケ造じいちゃんは車で出発してカケ造じいちゃん宅に着く。すっかり深夜だ。
『スカイ、書斎にあるGL改造筐体で寿命を譲渡する。覚悟はいいな?』
『勿論。政府の陰謀を暴いてやろうじゃん』
俺達は書斎に入る。相変わらず、雑然とした部屋だ。
『GLにログインする前に、100年という寿命は額が大きすぎる。生前贈与となると50年分は贈与税を払わなきゃいけない。これも世界政府の人口コントロールだ』
『贈与税で半分も持っていかれるのか。もったいないな』
『だからこそ、改造筐体を使うのだ』カケ造じいちゃんは2台ある内の1台に座る。
『俺は何をすればいいの?』俺はもう1台のGL筐体に座る。
『ログインしたら山羊箱のテーブルを作る。左の箱を開けてくれ。それに寿命100年分を賭けておく。間違っても右や真ん中の箱を開けるんじゃないぞ? 即死するからな。開けるのは左の箱だからな』
『なんかドキドキしてきた、アハハ。足は着かないの?』
『その為の改造筐体だ。先にログインするぞ』カケ造じいちゃんはプラグを挿して目を閉じる。
俺もGLにログインする。そこはテーブルが1つだけの小さなフィールドだ。
「スカイ、テーブルは作ったぞ。あとはお前の勇気だけだ」
『分かった』俺はテーブルに着く。
「ルールは解るな?」
『ああ、3つの箱の内、1つだけ山羊が入ってる箱を当てるヤツでしょ?』
「そうだ。よし! 行け!」
俺は左の箱を選び開ける。「メェ〜」良かった〜、山羊が入ってた。じいちゃんが嵌める訳ないけど簡単に人の命がギャンブルによって生き死にを決めるなんて……政府は危険だな。
「じゃあ、ログアウトするぞ」
『うん』
俺達は現実世界に戻ってくる。
『そういや、じいちゃんの残り寿命は?』
『残り20年くらいだよ。ワシはもう疲れた。長生きしすぎた』
『そんなこと言わないでよ』
『ワッハッハ。このチップメモリーを持っていきなさい。世界政府の“汚職”が記されている』




