前科
3日後、いよいよ、ウォーパーク2ジュニアオリンピック当日。この日は快晴、バーチャルリアリティーゲーム日和だ。俺は走って行き、学校のサッカー部部室に着く。
『おはよう、スカイ』
『おはよー、オズ部長。早いね』
『みんなが遅いのよ』
『スタートまで30分はあるよ』
『チート監査員も遅いわね』
すると、『あの〜、ここがGL部の部室ですか?』1人の老紳士が訪ねてきた。
『もしかして、チート監査員?』
『はい。わたくし、チート監査員の真木と申します。早速ですが、エントリーされた、飯田スカイさん。プラグを見せてください』真木という老紳士はバッグから拡大鏡を取り出す。
『3年前と同じ事をやるとでも思うのか?』
『スカイ、おとなしく見せてやりなさい』
俺はチート監査員に背を向ける。
『…………はい。確かにサバ読みチップは使ってませんね』
『気が済んだ?』
『はい。ウォーパークはウォーパーク2にバージョンアップした事でチートは不可能です。監査員は形式的なもので前科のあるユーザーの所に派遣されます』
『前科ねえ〜』正直“前科”という言葉にドキッとする。
『では、いつでもログインして結構ですよ』
俺はヘッドマウントディスプレイを被り、延髄のプラグをGL筐体に繋げ、ログインする。画面にウォーパーク2のジュニアオリンピック出場者は11番フィールドへ行ってくださいとテロップが出てる。
俺はウォーパーク2の大会会場へ向かう。観戦者だけでも5000万ユーザーくらい居る。個人戦は大人気だな。動きが重い……、可視アバターを出場者だけにする。
「こちら、佐久間。聞こえるかい? スカイ君」
『佐久間先輩か、みんな来た?』
「みんな揃ったよ。僕と部長はログインするね」
『おっ! 天才の勇姿を間近で見届けたいか、アハハ』
「バカね、シニアの大会の下見よ。GLに入社したら大会には出られない。私にとっては最後のチャンス。伝説を創ってやるわ」
『なんだよ、全く』
「まあまあ、2人とも。スカイ君はプロゲーマーになるだけの力があるし、大手のスポンサー探しだと思って気楽にね」
『りょ〜か〜い』




