血液検査
俺はゆうこにペン型注射器で右手人差し指を射される。思った通り痛い。人差し指から出た1滴くらいの血を検査器で読み取る。
『おっ、終わったか?』
『はい、あとはリビングに置いてあるプリンターに検査表が出ます』
『ゆうこが検査表を持ってきて。自分で見るの怖い、アハハ』
『分かりました、少々お待ちを』
――数分後、ゆうこが1枚の紙を持ってきた。
『良いところから発表してっ……』
『特に異常ありません』ゆうこは即答した。人間的な間がない。
『なんだよ、全く。アハハ』
『ただ、少し鉄分が』
『貧血か?』
『いえ、逆に多いくらいです』
『なんだ、大丈夫じゃないか』
『基準値は超えてませんが、多すぎる鉄分は腎臓に悪さをするので食生活に注意してください』
『分かった、気を付けるよ』
『水分補給を心がけてください』
俺はキッチンへ行き、牛乳をコップに注ぎ入れ、イッキ飲みする。『ぷはー…………うめえ』
ピピピ。俺のウェアラブル端末にメールが入る。【こちら佐久間、電気工事は明日の夕方には終わるよ】
俺はすぐに【分かった、明日は登校しない。ありがと】と返信する。
――その日から、四六時中、ウォーパーク2をプレーする。新ステージは大体分かるようになった。
そして、次の月。ジュニアオリンピック3日前。ウォーパーク2は一時ログイン不可となった。
俺はGLにログインしてウォーパーク2の個人戦のレギュレーションを確認する。3日後の10時スタート。ステージは既存の物をランダムで。1試合15分。1チーム100人、4チームが同時に戦うバトルロイヤル形式だ。そこから戦績上位40人が次の戦いの出場権を得る。400万人がエントリーしており、5回戦する。最後の戦いは40人だけで戦う。今からワクワクして眠れない。
その日の夜、部屋で俺はゆうこに『精神安定剤を処方して。眠れないんだよね』
『ジュニアオリンピックは不安材料ですか? レボトミン25ミリグラム錠を出しますね』




