魔性のGL部部長
すると、1人の女子生徒が来て、『あなた達ね? 中村から来た人達。どうやって震災の被害を回避したの?』
話し掛けてくれるのはありがたいが、ちょっと話が重いな。
『俺は飯田スカイ。君、名前は?』
『桜子。宜しくね』
『私は木瀬木メル』
『木瀬木!? もしかして親が漫画家じゃない?』
『よく分かったね。一発屋だけど』
『夫婦で作画とストーリーを分業してるんだよね。“カジノのない豪華客船に乗る意味ある?”って作品は全巻、持ってるよ』
『ありがとう。身近にファンが居て良かった』
『私は近山ミノル、代々農家やってるの』
『ミノルさん家ってもしかして大農園?』
『大農園かは分からないけど、そこそこ大きいよ』
『俺は合田ツヨシだ。親は建築家をやってる。水没した町を2ヶ月で復旧した建設会社だ』
『凄い凄い! シメの君は?』
『僕は殿岡ヨウヘイ、親は家具メーカーの取締役だよ』
なんとか打ち解けられそうだな。
『セレブね〜。皆、部活は決まった? 弓道部に入らない?』
『俺は野球部だぜ』ツヨシは野球が好きだったな。
『じゃあ、僕も野球部に入ろうかな?』ヨウヘイはツヨシに付いてばかりだな。
『弓道部か〜、面白そうだね。ミノル、一緒に入らない?』
『メルが入るなら、私も入ろうかな』
『スカイ君はもう決まった?』
『サッカー部だよ』
『嘘でしょ? スカイ君、サッカー部の噂は聞いてる?』
『この眼で見てきた。GLに早くから親しんでおこうと思って』
『Eスポーツなんてハイリスクローリターンだよ? 本気!?』
『強くなればローリスクハイリターンだよ、アハハ』
キンコンキンコン。『皆さん、席に着いて。ホームルームを始めます』あれが担任か、頼りなさそうな女性教師だ。
――ホームルームで他の生徒とも打ち解けられた。俺の親が元自衛官でサッカー部に入ると言うと皆は驚いてた。
始業式が終わり、俺はサッカー部の部室に行く。
『やあ、スカイ君。本気でGL部に…………サッカー部に入るかい?』カミユ先輩が後ろから声を描けてきた。
『入るよ。宜しく』
『じゃあ、早速、GLにインしてみよう』カミユ先輩は俺の手を引き、部室に入る。
『えっ!? いきなり?』俺は戸惑う。心の準備が出来ていない。
『痛くないから大丈夫さ』
『そういう問題じゃなくて……』俺は無理矢理、部室に入れられる。
『部長、新入生を連れてきました』
1人の女子生徒が居た。この人が部長……?
『貴方が一年生の飯田スカイね? 話は聞いてるわ。私は三年生の柊オズよ。サッカー部部長をやってる。宜しくね』
『宜しく』美人だ。魔性を感じる……。