お茶なら何でもいい
殆どの敵は待ち構えてる。俺はエキストラキャラをすり抜けてステージの中腹辺りまで行き、狙撃する。17キル。突撃してきた敵をハンドガンで撃つ。5キル。間抜けな奴はアサルトライフルで攻撃をする。当然、エキストラキャラに当たり、ダイになる。
――30分後、結果は8500キル対10000キル。チームは負けたが俺個人の戦績は500キル20ダイ。初めてのステージにしてはまあまあだな。エキストラキャラには当てなかった。
宍戸の戦績は80キル60ダイ。やっぱり攻防のバランスが悪い。これではとてもじゃないが大会に出せないな。
『宍戸、帰るぞ』
「はい……足を引っ張ってすみません」
『初めてのステージだろ? 気にするな』
俺達は現実世界に戻ってくる。すると、佐久間先輩とオズ部長が居た。
『どうだい? 宍戸君のデキは』佐久間先輩が聞いてきた。
『もうちょい強くなってもらわないと大会には出せないな。……それより』
『カミユ……君の事ね。死刑は免れないわ。佐久間は大丈夫でしょうね?』オズ部長は察した。
『僕は実家の魚屋を継ぐんで大丈夫ですよ。部長こそ』
『私はGL中部支社に入社が内定してる』
『スゲー。オズ部長の親がGLの重役だから?』
『スカイ、“交代”よ』
『オズ部長の親はセミリタイアか』
『まあ、そんなところね』
『あのチートさえなければ』
『過ぎた事は仕方ないわ。……喉が渇いたわね。スカイ、コンポタを買ってきて。みんな私の奢りよ、1本までね』
『僕が行きますよ』宍戸が志願する。
『いや、いい。俺が行ってくる』
『そう、じゃあ行ってきて』
俺はオズ部長から1000円札を渡され、昇降口近くの自販機に行く。
宍戸はお茶ならなんでもいいと言っていた。カミユもあの時、お茶ならなんでもいいと頼んだ。つい思い出してしまった。
俺はまだ心のどこかでカミユを信じてるのかな? いやいや、実際、刺されそうになったし。少年法が適応される年でもない。VRゲームが強かった分、惜しい人を失った。




