公務員の寿命(お金)事情
次の日の朝、俺は目覚める。
『おはようございます、スカイ様』ゆうこが間近で俺の顔をガン見していた。
『わっ! なんだ!?』俺はゆうこの顔を払いのけ、起き上がる。ビビるじゃねえか。無機質か有機質か判らない分、怖さ倍増だ。
俺はリビングに行くと、テーブルにタブレットレターが置かれていた。【180歳のおばあ様の容態が芳しくないから見に行きます。食べ物は冷蔵庫から適当に。ご飯はあります。母より】と書いてあった。
卵かけご飯でいいか。俺は冷蔵庫の中を漁る。卵を2つ出す。ボウルに卵を割って入れ、出汁つゆも少々入れ、泡立て器が混ぜる。ご飯をどんぶりに盛り、卵2つ分の贅沢卵かけご飯を食べる。
俺は登校中、メルが前を歩いてた。
小走りで駆け寄り『おはよう、メル』
『あっ、スカイ。おはよう』
『弓道部はどうだ?』
『一射入魂よ』
『なにそれ?』
『まずは習字で漢字を書くの』
『変なの、アハハ』
『集中力を鍛えるトレーニングよ。サッカー部はどうなの?』
『ジュニアオリンピックに出る事になった』メルには言っても大丈夫だろう。
『入学して……入部してまだ1ヶ月も経ってないよ? 凄いね、スカイは』
『雷電為右衛門の子孫説はどうやら、じいちゃんの妄言だったみたい』俺は話題を変えようとする。褒められるのは照れ臭い。
『良いじゃない、先祖が誰であろうとスカイはスカイよ。ジュニアオリンピックっていつあるの?』
『4日後だよ。……1つ秘密を守ってくれないか?』
『何?』
『チートを使うんだ。てかもう使ってる』
『反則ってこと?』
『本当は15〜17歳じゃないとジュニアオリンピックに出られない』
『私達は今12歳よね。年齢制限を破る訳ね。バレない? GLでルール違反するとかなり重いペナルティーが課せられるって聞いたことあるけど大丈夫?』
『大丈夫だ。取り敢えず、秘密は守ってね』
『分かったわ、誰にも言わないよ』
俺とメルは川沿いの道を歩き、学校に着く。
俺は一年信長組の教室で自分の椅子に座り、時間割を見る。1時限目はGLの基礎知識の学習だ。俺にとっては今さら感がある。
キンコンカンコン。チャイムと同時に章子先生が入ってきた。
『おはようございます』生徒一同挨拶をする。
『おはよう、皆さん。今日はGLについて学びましょう。早速、質問がある方』
『先生は寿命をどれくらい持ってるんですか?』桜子が手を挙げる。
『そうねえ、10年以上20年未満ってところかしら』言葉を濁す意味あるか〜?
『教員もギャンブルで寿命を増やすんですか?』
『私は滅多に賭け……資産運用はしないわよ。公務員は優遇されてるの。そうよね、飯田君』
『えっ!? 何?』
『飯田君、授業に集中して』
ワハハハハ! 教室がドッと沸く。
『ひひ祖父が元航空幕僚長だったから寿命と食べ物にはギリギリ困らないくらいだな』
『飯田君ちは凄い家系。サッカー部はジュニアオリンピックが近いわね。応援を頑張りなさいよ』
『うっ……、うん』




