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オズ部長のビンタ


 俺は点滴をしてもらい。サッカー部の部室に行く。もう放課後だ。

『スカイ君、大丈夫かい? ぶっ倒れたみたいだけど』部室には佐久間先輩、1人だけ。

『大丈夫、大丈夫、アハハ』

『今日はもうログインしちゃダメだからね。いや、マジで』佐久間先輩は真剣な眼をして言った。

『分かったよ』

『資産としての寿命を持ってても、肉体にガタがきたら意味がないからね』

 すると、オズ部長が部室に入ってきた。俺に近付いてきて、そして、バチン!

『痛っ……』

 俺はオズ部長にビンタされる。

『私の見込み違いだったかしら? 障害者になりたいの!?』オズ部長も真剣な眼をしている。それだけヤバいって事か。

『すまん。今後は気を付けるよ』俺は反省する。

『今度オーバーワークしたら、ベンチに下がってもらうわよ』

『分かった』

『じゃあ、今日はもう帰っていいわ。家でログインしないでよ』

『は〜い』

 俺は昇降口に行く。オズ部長は本気で俺の心配をしてた。流石、若くても統率者。

『おい! スカイ、大丈夫か?』

『ヨウヘイか、心配ご無用だ』

『随分顔色が悪いぞ?』

『そうか?』ガラスに反射する自分の顔を見る。目の下にクマができていた。

『パパの会社の社用車が迎えに来てる。乗ってきなよ』ヨウヘイにしては珍しい申し出だ。

『じゃあ、お言葉に甘えて』

――俺とヨウヘイは車に乗り込む。

『自動運転、飯田スカイの家、最短ルート』ヨウヘイが車の中で言う。

「かしこまりました」

 ウィーンと動き出す。電気自動車だから音が静かだ。

『野球部はどうだ?』

『ツヨシ君はレギュラーになるらしいよ』

『マジか!? 一年生だぞ?』

『ツヨシ君は怪力だからね、アハハ』

「ヨウヘイ様、到着しました」すぐに家に着いた。

 俺は車を降りる。自動運転に自動ドアだ。高級車は総てがオートマチック。

『ありがとな、ヨウヘイ』

『別にいいさ、近所だし。じゃあね』ヨウヘイはケチだが、やる時はやる奴だ。俺が相当やつれて見えたんだろう。

 俺は自宅に入る。

『母さん、ただいま〜』

『スカイ!』母さんは血相を変えてリビングから来た。

『どうしたの?』

『学校で倒れたんだって? 心配かけないで!』

『勉強のしすぎかな? 来月まで通信制に変更していい?』通信制にすれば家に居ながら授業が受けられる。自由に期間を決める事ができる。

『GLにログインするんじゃないでしょうね? 軽度のGL依存症だって担任の先生から電話が来たわよ』

『無理はもうしないから安心して』俺はテキトーな事を言う。

『本当に?』

『約束するよ』

『じゃあ、お母さんはおじいさん達の家のハウスキーパーに行くから、焼き肉でも食べといて』

『分かった』

 俺はウォーパークがやりたくてウズウズしている。ダメと言われると余計にやりたくなる。

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