サトルは指輪、俺は覚醒
俺は急いで集落へ向かう。新規プレーヤーのスタート位置、船着き場から近い所だ。落とされたのはまずい。敗走してきたプレーヤーが一軒家に集まっていた。
俺は一軒家の指令室、2階の中部屋に行く。
「スカイ様! ……集落が」
『君は一軒家の司令官か?』
「はい、ミセルといいます。集落司令官のサトルが撤退する時にダイになったそうです」
『サトルは強いプレーヤーだ、俺が回復アイテムを遣う』
「でもサトルの死体は敵陣深くですよ?」
『大丈夫だ。ただし、ターボガンの弾を補給させてくれ』
「それなら良い物がありますよ。スカイ様のマガジンは30発のタイプですね」
『ああ、そうだが』
「リロードせずに120発撃てる、ドラム型マガジンを持っていってください」
『そいつぁ良い!』
「集落は数で圧されたみたいで、ザッと3万匹は居ます」
『楽勝だ。行ってくる』
俺は隣の部屋の窓から飛び立とうと足をかけた時、トップランカー専用ボイスチャットが来る。「スカイ君、戻ってきたんだね」俺は下を見ると居た。
『カニパン! 生きてるか。流石は一番人気』
「サトルを……」
『任せろ。今回復しに行くところだ』
「サトルのバカみたくムチャしないでよ。虫はターボランチャーを持ってるよ」
『マジかよ、やべーな、アハハ』
「こんな時に指輪を見せられてもね」
『指輪? ああ、そういう事か。回復させて還してやるから安心しろ』サトルはサプライズが下手だな、アハハ。
俺は北に向かって十数秒くらい飛ぶと、サトルの死体をすぐに見つける。
「スカイ! 来るなー!」
『サトル?』次の瞬間、前方から強烈なエネルギー弾が飛んでくる。俺はかわす。シールドでは防げないと瞬時に判断した。
「ターボランチャーだ! 逃げろ!」
『持ってるのは3匹か』面白い、俺の集中力なら! すると虫達の動きがスローに感じる。
【ノーマルモードからスーパーモードに切り替わります。制限時間は20秒です】俺のアバターが緑色のオーラに包まれる。
俺は虫のターボランチャーの高速弾を避けながら瞬時にドラム型マガジンをリロードして1000匹以上キルする。スピードが違う。虫が止まって見える。通常の10倍の速さだ。自分が装備してるターボガン3丁をデータボックスに保存して、ターボランチャーを回収する。そしてサトルを回復させて一軒家まで連れて還る。その間、20秒ジャストで。
【ノーマルモードに戻ります】
俺はすぐにログアウトする。『頭がっ痛い!』激痛だ! 今まで感じた事のない……くら……い――。




