才能は努力して初めて輝く
俺達は虫の対空砲火を避ける為に左に迂回して採掘場に戻る。
「スカイ様! お帰りなさいませ! ご指示を」数百人のプレーヤーがボイスチャットしてきた。
『今は小康状態だな、ちょっと待ってて。……オズ、虫の女王はどうだ?』
「調査隊の情報によると、まだバリアに守られてる」
『破壊してキル出来ないのか?』
「ターボガンを超える威力のターボランチャーなら出来るかもしれないわ」
『ターボランチャー!? なんだそれは』
「まだ配信されてないから開発出来ないけど、バリアで守られてる、上級の虫を一撃でキルできるはず」
『俺のお供のロボットだけどさ、女王の命令だとかで襲いかかってきたぞ』
「AIまで統括してる!? スカイ…………」オズは何か言いたげだな、だいたい分かるけど。
『本体を破壊してソフトを抜いたよ』
「そう……」
『もっと深刻な問題がある』
「何よ、言ってみなさい」
『GL日本統括委員長の鬼頭はもういいが、警察に追われてる』
「それなら私が警察とGLに圧力をかける。スカイは戦いに集中して」
オズはログアウトしたようだ。
俺はオズが帰ってくる前に各拠点の視察をしに向かう。まずは南に飛び、夜人虫との干渉地帯、団地に行く。
そこは危機的状況だった。団地は夜人虫に東と南の2方向から攻撃されており、プレーヤーは次々とダイになる。
俺は上空からターボガンで虫をキルしていく。虫の数が多い、すぐにマガジンが空になり、リロードする。
「スカイか!? ……助けてくれ!」
夜人虫は退却していった。俺の攻撃が効いたかな? 団地の南棟の屋上に着陸する。
『デイビット? こんな所で何をやってる』
「ダイになっちまって。ターボガンってヤツが重くてさ、上手く扱えないんだよ。回復アイテムを遣ってくれよ」
『他を当たれ。俺が持ってるのは借り物だ。お前には遣わない』
「何だと!? 俺を回復させれば、大幅な戦力アップだぞ」
『お前の為にも、ハッキリ言っておく。才能は努力して初めて輝く。お前の悪いとこは最初から才能云々でものを考えてるところだ。キル数15匹か、そのうち誰かが回復してくれるだろう』
「後悔させてやる!」
ピピピ。【拠点、集落Aが虫に落とされました】とインフォメーションが出た。




