希望の星
俺はウォーパークⅩに入る。採掘場だ、強制ログアウトさせられた位置からスタートか。採掘場の長屋と資材室の中間。兵装はそのままのようだ。辺りは生きてるプレーヤーが数十人ほど警戒に当たってる。
「えっ、ちょっと、スカイ? どこに行ってたのよ! 大変だったんだからね!」
俺は振り向く。
『オズか。ちょっとテロリストに拉致されちゃって』
「何よ、それ〜」
『それより、状況を教えてくれ』
「もう!」
『そう怒るなよ、アハハ』まあ、怒られてもしょうがないな、アハハ。
「仕方ないわね」
――俺はオズからログイン出来なかった約15時間の経緯と情勢を教えてもらう。虫は増減を繰り返し、20万匹まで増えた。
それと虫なのに同じ虫をキルする反乱軍の“夜人虫”が採掘場から南南東8キロメートルに位置する中学校とそこから1キロメートルほど離れた海岸にある砲台跡に拠点にしてる。その数1万匹ほど。夜人虫は人間もキルするらしい。
虫の本隊は島の北側にある、客船、坑道、廃病院などを拠点にしてるようだ。
人間側はログインしたプレーヤーは6000万人も居たが、一度もキルされず生き残ってるプレーヤーは約1000人。回復をして、なんとかプレーを続けてるプレーヤーは8万人ほど。みんなで一丸となって“スカイ軍”と名乗ってるようだ。採掘場を中心に集落、一軒家、団地も拠点にしてる。
俺は一通り聞いて劣勢だと痛感する。
『オズ、プレーヤー達の士気を上げよう』
「それなら、良い手があるわ」
『本当か!?』
「任せて」
オズはプレーヤー達に一斉チャットする。「プレーヤーの皆さん、良いお知らせです。伝説のプレーヤー、飯田スカイがログインしました。これでスカイ軍は虫を倒し、世界を平和へと導きます」と語った。
『そんなんで大丈夫か? いちプレーヤーの力で戦況はひっくり返せないぞ』
「大丈夫よ、スカイは希望の星なんだから」
『実態を知られたらガッカリされるだろうな、アハハ』
「自信を持ちなさい、スカイはウォーパークⅩで総合力ナンバーワンよ」
『総合力って何?』
「ログイン時間、キル数、ダイ数で算出される指標よ」
『ヒューイとロックはどれくらい?』
「何度も深追いしたせいね。虫側の奥の拠点、坑道で戦闘不能になってるわ。ポイントは決して高くない」
『リセットすりゃいいのに』
「トップランカーのプライドなのかもね。リセットしたらトップランカーでも課金しなければ、パワードスーツやアームテンタクラーは使えないし」
『オズ、回復アイテムを2つくれ』
「いいけど、どうするつもりよ?」
『俺が突撃して2人を復活させる』
「全く仕方ないわね。スカイはダイにならないでよ?」




