(第9章)知らされる真実
主人公、飯田スカイの視点に戻ります。
――俺は目隠しを被され乗り物に乗せられた。
『ゴーゴーゴーゴー!』
車じゃない……浮いてる!? 航空機? 夜だから暗くてよく判らなかった。俺は目隠しをゆっくりと動かす。
『スカイ君、もう少し被っててね』
『カミユか? どこに連れてこうって言うんだ?』
『圏外だよ。楽園、僕らのアジト』
『俺の母さんは居るか?』
『居るよ、スカイ君に会いたがってる。それと、お父さんもね』
『冗談は顔だけにしてくれ。父さんは死んだ、もう7年も前の話だ』
『死体は見たかい?』
『いや』
『葬式はやったかい?』
『いや…………嘘だろ?』
『本当さ』
『圏外で人は生きていけるのか?』
『圏外なんて名目上で汚染はされてないよ』
『なぜ秘密にされてる?』
『僕も最初は驚いたよ。世界政府は“虫”で人口を大幅削減するって。圏外は虫の被害から逃れられる。GLと距離を置く、お偉いさんや有能な人は空中都市“ソラリス”に避難してるよ』
『なんだよ、その空中都市って』
『着けば分かるさ。世界に点在する圏外はソラリスの補給地点なんだよ』
『父さんと母さんはそこで生活してるのか? なぜ俺は今になって連れていかれる?』
『スカイ君は有能だからね。捕まってタイムアウトしたらもったいない』
『俺は寿命が短い、GLがなければ生きれない』
『左手を見せて』
『ああ』俺はカミユの声のする方に左手をつき出す。
『どれどれ〜…………、103年もあるじゃないか』
『何!? 嘘だろ? GLは寿命剥奪してない?』
『タイミングが良かったね。それと、言っておくけどソラリスでは寿命に価値がなくてキャッシュ払いだからね』
『じいちゃんとゆうこは連れて行ける?』
『どうかな〜、ソラリスはもうキャパシティオーバーになるよ』
『そうか…………』
『そろそろ着く。目隠しを取っていいよ』
『速いな』
『ブースター付きドローンだからね』
俺は目隠しを取る。窓からは闇夜の中に白い支柱が見える。かなり巨大だ。直径100メートルくらいはありそうだ。ドローンは支柱に向かって飛んでる。
『おい、ぶつかるぞ!?』
『大丈夫だよ、スカイ君。あればソラリスのエレベーターなのさ』
『ソラリスってどんだけ大きいの?』
『旧長野県とほぼ同じだって聞いたことあるな』
『……了解した、オーバー。カミユ君、ポイントシズオカに降りるよ。エレベーターの故障だって』とコックピットの操縦士が言った。
『機長、分かりました』
『トラブルか?』
『スカイ君のお父さんにすぐ会えるよ』




