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ザマが反則負けをしました

「さあ水上障害リレースタートです!!」


 4回戦は水上障害リレーだ。まず浮き輪をくぐり、水中トンネルをくぐる。

 そして木製で作られた山をまたぐのだ。ヌートリアの革で包まれており、登っても問題はない。

 

「まずはルナとヘンティル、両名がスタートです!!」


 ルナとヘンティルが泳ぐ。だが髪のせいで浮き輪がくぐれない。キノコの亜人は自然に髪型がキノコになってしまうのだ。

 水中トンネルでも難儀していた。これがあるから二人を最初に出したのだろう。


 水中トンネルを潜り抜けると、山を登った。ヘンティルは右足を大きく上げ、またがる。

 大きく広げた股が見える。


「大胆なポーズです。親類縁者には見せられない光景です。

 というかヘンティルの裸体など誰得でしょうか。

 ルナの方が見ごたえがあります。胸がたぷんたぷんと揺れるのがたまりません!!」


 ニエベの実況に観客は盛り上がる。失礼な言い分だが誰も気にしていない。


「ふぅ、ちょっと手間取ったわね」

「うぅ、なんで私がこんな目に……」


 ふたりはゴールして余韻に浸っていた。

 さて次はアオイとアマだ。

 

「おおっと、次はジライア村とオロチマ村の女傑対決だ!!

 スレンダーな体つきのアオイさんは胸はないけど、スタイルの良さはぴか一です!

 アマさんのほうは小柄ですが巨乳がすごい! その破壊力は三角湖一です!!」


 もう村の争いなどどうでもよさげに実況している。


 アオイはヘビの亜人だが、うなぎのように体を動かし泳いでいく。

 アオダイショウの亜人ゆえか肌は青く、水中でもその身体がひょろひょろと見えた。

 

 アマの場合はカエルの様に泳いでいく。胸が泳ぐたびに揺れるのだ。

 小柄でも肉付きはよいし、同年代にしては目を付くといえる。


 そしてふたりは山を登る。アオイは両手を掴んであっさりと登り切った。

 アマはぴょんと飛び越えてしまったのだ。


「おおっと、ふたりともあっさり登ってしまった!!

 なんとも色気のない展開でしょう。もっともふたりとも村の代表故に控えたのでしょう!

 しかし我々としては大胆で親類縁者に見せなれない展開にしてほしかったです!!」


 ニエベの実況でさらに盛り上がった。もっともオロチマ村とジライア村の観客席ではにらみ合っている。

 あんまりな言い方にニエベに抗議の声を上げるが無視された。


 最後はザマとカンネの対決になった。


「オーッホッホッホ、まさかザマと勝負することになるとは夢にも思いませんでしたわ!!」

「そうですね。ここは上下を問わず純粋に勝負しましょう。あなたを負かす機会などありませんから」

「あら冗談がお好きですわね!」


 カンネは呑気そうに笑っていた。

 アオイとアマが同時にゴールすると、ザマとカンネはスタートした。


 カンネは金色の毛並みで泳ぐ姿はシャチのようであった。シャチは魚で虎と書くのだが、彼女はライオンである。

 まさに百獣の王! ライオンの亜人にふさわしい風格であった。

 一方でザマはピラニアのように静かに泳いでいる。まるで獲物を狙うようであった。

 ジャングルで暗躍する黒豹らしさがにじみ出ていた。


 浮き輪をくぐり、水中トンネルと抜けた。

 そして山を登る。

 カンネは大きく股を開いた。均整の取れた長い脚に開いた股が食い込んでいる。

 そして山にまたがる姿は尻をどっかりと乗せた。

 ライオンの尻尾がふりふりと振っている。

  

 一方でザマは山を登ると、ぴょんとカンネの山へ飛んでいった。

 あまりのアクシデントにニエベすら言葉が出なかった。

 ザマは身動きが取れないカンネの後ろに抱きつく。

 彼女は後ろからカンネの胸を揉んだ。

 ゴージャスな彼女らしい大きな胸で両手では覆い切れないものだった。


「ざっ、ザマ! あなたは何をしているの!

 こんなの反則ですわ!!」

「反則ですよ。ですが世の中正々堂々と勝負するとは限りません。

 このように私が裏切ったではありませんか。

 すべてはあなたのため。お嬢様のためですよ」

「なっ、なんと!! あなたの忠心ぶりに、目からうろこがこぼれましたわ!!


 ザマはカンネの胸を揉みまくった。

 遠慮なく手を抜かず、カンネに快楽を与える。

 自分でするのとはわけが違う。他人に与えられるものはその倍以上であった。


「あっ、ああっ!! うますぎ! ザマのテクがすごすぎ!!」

「ふふふ。私の手技を知ったらもう抜け出せませんよ」

「あふ~~~ん!!」


 カンネが絶頂した。ぐったりとしている。まるで事後だ。

 ザマは勝ち誇ったように笑っている。

 観客席では男は興奮し、女は子持ちなら子供の眼を手で隠していた。


「おお、なんとも素晴らしい光景でしょうか!! 男たちは一斉に便所へ走り、紙が減る!!

 だがザマ選手は反則負けです! よってこの勝負はジライア村の勝利です!!」


 やっぱりそうなったかとエスタトゥアはそう思った。 


「というか、こちらの負けじゃねぇか!! ザマは何を考えているんだ!!」


 勝負はすでにジライア村の三勝になっている。もう五回戦はやらないだろう。

 ザマが暴走して勝負を捨てたのだ。正直エスタトゥアは納得ができなかった。

 

 もっとも当の本人はケロッとしている。罪悪感など全くなかった。


「正直、思うことがありましてね。勝負を早く終わらせたかったのです」

「早く終わらせるだって? なんでそんなことをするんだよ」

「実は冷静に考えてみると、エスタトゥアさんの暴走は最初から計画された可能性があります。

 三角湖での伝統行事からして、問題が起きれば水泳大会を行うのは目に見えております。

 それこそがエビット団の狙い。村人が大勢一か所に集まるこの状況を作り出すことが狙いだったのです」

「いや、一か所に集めて何の意味があるんだよ?」

「今ならビッグヘッドたちが襲撃すればひとたまりもありません。

 そこにエビット団があなたのせいにすれば、村人はあなたを恨むと考えているのでしょう」


 ザマの推測にエスタトゥアは驚いた。なんでそんな極端な結論に達したのかわからない。


「エスタトゥアさんがエビット団に狙われているのはわかっております。

 ですが毎回誰かを操って行動を起こしたのでは傾向を読まれてしまいます。

 だからこそ迂遠ですが、エスタトゥアさんを利用し、騒ぎを起こすことが狙いだったのでしょう」


 オロチマ村のクチナワ親分が操られたことはすでにザマが調べていた。

 彼は簡単な催眠術をかけられており、その間の事はまったく覚えていないのだ。

 エスタトゥアと話が終わった後、ボケた発言をしたのは術が解けたからである。


「ちなみにカンネの行為は恨みがあったのか?」

「もちろんです。特に胸の大きさだけですけどね。お嬢様のわがままは正直どうでもいいのです。

 むしろ忍耐を鍛えられて嬉しいくらいですね。

 エスタトゥアさんもどうですか? 常人なら三日でお嬢様に食い殺されますが」

「食い殺されるのかよ!! リスクが高すぎだよ!!」


 エスタトゥアが突っ込んだ。あまりにも無茶すぎる挑戦は遠慮したい。


「話は分かったけど、これでよかったのかな? 旦那様に何か問題は起きないかな?」

 

 エスタトゥアは心配そうに言ったが、ザマは首を振った。

 もっとも問題を起こしたのはエスタトゥアのほうで、クチナワ一家の客分だ。


「問題ありません。この水泳大会は勝敗が決すれば口にしないのが掟です。

 さらにツナデ村のベンテン様が調停しておりますからね。

 負けた方が賠償金を払えば、この一件はおしまいです」


 ザマはそう言い切った。ほっとなるエスタトゥア。


「ザマさんの言う通りです。ガマグチ親分やベンテンの姐さんとも話し合いをしましたが、概ねその可能性が高いですね。

 うちが負けたのは痛いですが、まあ人の命に比べればマシですね」

「でもちょっと物足りなかったわね。あたしとしてはもっと勝負をしたかったわね」

「ちなみに先ほどの話はラタジュニア殿たちにも話しました。それ故に会場や村でも警備は厳重にしております」


 アオイが慰め、ヘンティルは残念がった。

 だがカンネは納得していない。憤怒の表情を浮かべていた。


「ザマ!! わたくしは納得しませんことよ!!

 わたくしとエスタトゥアさんの勝負がそのようなことで決着するなどありえません!!

 今の勝負は無効です!! わたくしは最後の勝負を挑みますわよ!!」


 カンネは一切空気を読んでいない。後方でアマが右手を上げ、謝罪するポーズを取る。

 おそらく彼女は事前にザマの話を聞いていたのだろう。

 何かが起きる前に水泳大会を終わらせるつもりだったのだ。

 だがカンネは勝負を流された怒りで、我を忘れてしまっているのである。


「なんとも面倒臭い女だな」

「それがカンネお嬢様の良いところです」


 本当かよとエスタトゥアは心の中で突っ込むのであった。


「お姉さま! 次は絶対に負けないです~。ルナさんもがんばるです~!」

「うえぇ、せっかく終わったと思ったのに……。帰りたい……」


 イノセンテは無邪気に笑い、ルナはげんなりしていた。

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