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初敗け




 炎と水がぶつかり合う。サザンは、能力上も不利かよ!とツッこむ。


*サザン視点。


 炎の攻撃を突き破ってきた水球をかわし、勢いよく迫る彼女の腕をガード。素手の取っ組み合い。いちいち強い。さっきのヤツらと格、10段くらい違う。隙をつかれ、顔の右横に(耳をぶってそのまま体を横倒しにせんが如く)手の甲が飛んでくる。勢いを鎮めるように左手でキャッチし掴み、下に引っぱりながら捻って体勢を崩そうとするが、女の右ヒザが左脇腹にごきゅ!と入る。あまりの痛みに膝をつき、うずくまる。

 だめだ動けねぇ…。


 目の前では女がトドメを刺すべく、ほそ長い円錐を2つくっつけたような(ゴボウ的な)、長さ2.35mほどの水の武器を(くう)にこしらえる。彼女の右手の上で出来上がっていくそれは、とても柔らかな水を辺りから集め、形成されているのに、はたまた「氷」という状態になっているわけでもなさそうなのに、とても硬そうに見える。刺されたら終わりだろう。右腕を振り下ろすと、水の槍は腕に合わせて空を切る。

 どうにか避け、高速回転 高温 炎円盤を放つ。彼女は守りの体勢で素手で受けている。が、なぜか温度や回転によるダメージは一切受けていない。

 集めた水を炎円盤よりデカい剣山形にすると、勢い良く円盤を貫き、火を打ち消し、水が地面にぶちまけられ、それが凍る。

 受け身に手間取っている内に近付き、技を打ち消した直後の彼女の腹へ、高温の俺の右の拳を打ち込む。


 硬い水を殴った感触。このドレス、水でできてる…。

 はっと思考から脱出すると、デコに彼女の掌がばちこ!

 空で一回転して着地。

 痛ぇわ目眩するわ!


 さらに迫りくる彼女。


「まてまて!」


「?」


 待ってくれた。頭を回転させる。


「俺は、別の星から来た と言っても、おかしくない。と思うか?」


「ええ…きっと…あたしと…あなたは…似てる…」


 思わぬ回答に意味も不明だが、肯定と受け取り続ける。


「んで相談。旅しねぇか」


「いいわね。でも無理。」


「どうい…」


う意味…と続ける前に彼女の攻撃が再開。色々凝縮され過ぎててツッコみ切れないぜ?!


 根元が直径30cm,シャッと4〜5m伸びる「つらら」を空に俺を刺しに幾つも形成。


 シャシャシャシャシャシャ シャキ!


 あっぶねー!首元!


 まだまだきやがる。埒あかん。


 俺は逃げながら体から発生させたガスをばらまく。彼女が異変に気付き、腕を横しにぶんと振るうと、強風が起きた。

 風まで起こせるんかい!


 が、ガスはまだまだ残っている。火をボッと点け、高温のフラッシュがパッッッッ・・と輝くと、数秒にして氷の世界が解かれ、焼け野原に変わる。


 彼女ももれなくフラッシュの空間に入っていた。


 が、無傷、服もそのまんま、で俺を睨んでいる。

 目もつぶせないなら今の意味ねー!!


 その目に睨まれると やはり動けなくなる、どころか体温が下がってくる(体の炎が鎮火されてる?)。


 自ら体温を燃やし、目をどうにか逸らす。(一度合うとその瞳に吸い込まれるようで、外すのも気力が要る…)


 ふたたび氷柱(つらら)が襲い来る!さっきより激しい。ヤバい逃げるので精一杯。


 あらら持って来た本落とした。


 そんなの気にしてられん…。


 あ、目の先に彼女。目が合う。あーー・・・・



 彼女は俺を、ボールのように中が空洞の、水の球体の中に閉じ込め、その球をしぼませてゆく。


 空気を小さな穴から抜きながら急速に縮んでゆき、縮むにつれ水の膜の厚さも厚くなり、俺がどんなに全身全霊でレーザー射ってみても爆発してみてもまったく効かず、俺は潰されてゆく。

 血があまり吹き出るまでに痛みに限界が来、太陽族はそうなると本来の姿、炎に戻ってしまう。戻ってもどんどん小さくなる球の中で藻掻いてみるが、俺の命の灯火は、自ら燃え尽き、相手に鎮火されながら、だんだんと

消えていった…


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