バトル
4人はサザンを囲むように飛翔し、逃げる彼を追い ぐんぐん上昇する。迷信芸が手を振り上げるとサザンの頭上に炎の竜巻が出現、その渦の中は、太いレーザー光が何千とゆき交い、衝突し合っては分散している。炎を噴射し 急ブレーキ。そこへ落ち着けが追い付き、右手をくいっとまわすと、渦の中から無数のレーザー光が空へとばらまかれる。サザンは炎のバリアで防ぐが、それを傘に4人が接近、それぞれ炎の槍、斧、デカい円形刃、撥(?!)を形成し、襲い掛かる。槍も斧も円盤もかわすが、物掛け鼻の撥が空を叩くと、何か衝撃波がとんできて体内部が破壊される。サザンは血を吐く。見えない衝撃が当たった部分から強い爆発が ど どん!と起き、後ろに吹きとばされ自作のバリアを壊し背中に何本もレーザーが突き立つ。腹まで貫いてくるものもあるが超回復能力で治癒。(強い者限定だが、体が炎だから火を操れるなら癒すこともできる)
が回復の隙に体の前面に槍やら回転刃が突き刺さり、血が至るところから吹き出す。そこへフックの脳天カチ割り衝撃拳なるものがデコにモロヒット。ゴ・ド・ド・ドっ!と鈍い音と共に衝撃が何段階も彼の頭をはねとばす。
一気に意識が吹き消えるが、脳の回復を最優先していたため(魔力にも慣性があり使用者が気絶しても暫く効力が続く)かろうじてわずかに取り戻る。そして眼球だけで父たちを捉える…が、迷信芸が至近距離から彼の頭を爆破。目も見えなくなり、さすがに逃げようと炎を四方に発散し転がし玉と迷信芸の間を抜けたはずが、背中に撥が ボゴ・ッ・!!と食い込み、体じゅうが分裂しそうな感覚に2秒、衝撃が全身を駆け巡る感覚に2秒、体が爆発していく感覚に3秒襲われ、意識を失った…。
戻ったのは3秒後。目を開ければ親友がそこに。見かねて瞬間移動で遠くまで引き離してくれたのだ。回復能力を彼に使っていて、酷かった体は今はほぼ元どおり。違うのは体力、息は上がったままだがこれは強制回復は不可。しかし彼は自身をボルテージ型と思うこと、こちらからひっかけた闘いであることから、長く休む気はない、向こうに見つかる前に戻してくれ、今すぐだ、と言う。
センユは魔力の効力空間を2人分に広げると、彼を4人の近くまで運び、自分は見えないよう煙を出してドロンと(彼だけ)現れたように見せ、また一瞬にして遠くまで離れる。
父たちは気付き始めた、一緒にいたガキ…助っ人か?
その顔を見て少し焦るサザン。
「………」
(さっさ終わらせっぞ…)
今度はサザンからだ。狙うは転がし玉、炎の鞭をしならせ彼に巻き付け、そのまま遠くへ放り投げようとするがサザンの鞭を逆に、さらに熱い火が伝い、手に迫り来る。手を離し、転がし玉の方へ急接近、鞭の手元は只今爆発中、いや鞭全体がどんどん爆発する!ちょっと視界が悪くなったところに落ち着けの陽炎の幻が幾つも現れ、本物を判断している内に迷信芸の火焔空間が形成、サザンはその中に閉じ込められる。全部偽物だと気付いたときには遅い。その空間の中ですべての陽炎が爆発を起こし、静まる前に空間の外から次から次へ灼熱炎を投入され、サザンはバリアを作るが、余りに激しい爆発にすぐ限界がきてしまった。意識が朦朧とし、バリアが壊れた瞬間 空間が解かれ、突如目の前に来た落ち着けの刀型炎が首を掠める!
間一髪でかわすが、いつのまにか後ろにいた転がし玉の、火の玉という技が発動。サザンの肩に白く光る玉がひっつく。何をどうしても取れない。それは同族の肉体を食む能力の塊。すでに激痛に叫びながら取ろうともがく彼の右腕は白い玉に「食われ」消えていた。しかも食われればれるほど白玉はでかくなり、食う速度も上がる。胸板が火の玉の触れた場所からどんどん消えていく…。回復能力も追い付かない。
と、センユが平然と現れ、彼の食われてる部分より、多い面積 自分の肌に火の玉を押し付けると、見事自分の体に乗り移らせた。サザンの方は鎮火していて、なぜかセンユに燃え移ったはずの白玉もすぐに消え、サザンがそれを見たのを確認して親友は消えた。この間、0.5秒。唖然とする父たちを尻目にあっという間の出来事だった。彼は体の燃えてる部分だけを瞬間移動させ、欠けた部分を回復させただけだった。(食う者がいない場合火の玉は消滅する)
と、いちはやく攻撃を再開する落ち着け。何やらサザンの回りで単調な物理的攻撃を繰り返したのち距離を取る。サザンは簡単にあしらうが、距離を取られた瞬間に気付く。一瞬遅かった。彼は可燃性の(この星の温度基準、化学変化の終着を見越した)ガスをばらまいていたのだ。サザンの横に高速のレーザーが飛んできて彼の真近で花火のように弾けると、途端に世界が真っ白に転じ、球状の灼熱フラッシュが辺りを10000℃の高温で包む。
もちろんバリアはほぼ意味がなく、大ダメージを負ったが多くの魔力を引き出し、動ける程度に治した。だが傷を癒すのも魔力の内。魔力=体力、我慢できるなら耐え、攻撃へ魔力を回すほうがよい。痛みをこらえ 腕から幾つもの炎の球をあらゆる方向に発射、それらは集束して落ち着けへ到達、他数玉は他3人に向けてだ。その3人はかわすが落ち着けは不意に攻撃に囲まれると慌てて何もできない質、サザンの火玉が自分を取り囲んだことに驚いている内にバリアも作れずモロ食らってしまった。丸焦げになって気絶する落ち着け。あだ名 丸焦げに変えよかな、とサザン。
「ウオオオオオ!!」
すぐに全回復し、怒りに雄叫びを上げ、白眼を剥いて飛び掛かってくる落ち付け。父から教わった、逆上している相手ほど冷静でいれば対処し易いものはないを守り、落ち着いて後ろへかわすとフックから習った技(相手が振り向いた直後アゴめがけてパーでアッパー、当たる瞬間に掌に爆発。次に腹にグー、こちらも爆破。そのまま手を組み頭の上へ両腕チョップ)をお見舞い。落ち着けは炎の海へ気絶で真っ逆さま。彼はもう戻って来ませんでしたとさ。
迷信芸と転がし玉も焦って逆上。迷信芸は当たるまでついてくる超密度の大きな火の球を3つ作った後、サザンの逃げ場のないよう&球が最短でぶつかるよう太い強力なレーザーを逃げそうな空間全てに無数に放つ。しかもそのレーザーも近くにくると彼のいる方へ向きを変え、そうでなくてもぐにゃぐにゃ動くものさえある。サザンはレーザーに掠られてしまい、爆発が起き、それにつかえたレーザーも次々に誘発爆発を起こし、サザンは渦中に放り込まれる。そこへ火の球が到着、とその直前に転がし玉がまた「火の玉」を発動、迷信芸の火の球3つともに混ぜ込んだ!そしてその球3つは同時にサザンのいる場所に突っ込みぶつかり合う。強烈な閃きと核爆弾のような大爆発が辺り一帯を包んだ…。