きっかけはあきらめたとき
この小説はいじめ自傷行為などがでてきます15歳以下の方は読まないでください
僕は猫が嫌いだった
でもぼくのゆめは猫になることだ
この物語が終わるころには僕は猫になって自由気ままにいきるだろう
えさを求めてふらりふらりと歩いて
たまに人間にサービスして
争いのにおいがしたらどこかに逃げる
言語科目は猫語だけでいい
スマフォを持ち歩こうにも四足歩行だ
世間の情報なんかしらなくてもいい
友達の会話のタネをわざわざしらべなくてもいい
好きなところにトイレをしよう
あったかいところを毎日さがそう
友達や家族の顔を見に行っても大丈夫だ
あぁ理想の生活だ
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八王子駅から少し離れたところに
アパートがある
そこの202号室は僕の家だ
よくあるワンルームのアパートだ
家賃は3万円
といっても家賃も食費も親が払ってくれている
バイトはしていない
ひたすら大学で勉強とサークルと遊びをしていた
部屋にあるのはギターとベースとパソコンだけ
あとはいつも敷いてある布団
それとタオルケット
このタオルケットは生活必需品で100万でうってくれといわれても売る気はない
22にもなってこれがないと眠れないのだ
それと抱き枕
べつにアイドルとかアニメのキャラがかかれてはいない
最近はもっぱら音楽を聴きながらネットゲームをしている
昔は何時間もできたのに今ではもって1時間
眠気がすぐ来て寝てしまう
平均睡眠時間は一日14時間
外にでる時間は30分
食事は宅配ピザLサイズ 1700円弱
会話は朝晩1分親とだけ
この生活は2年目だ
体重は30キロふえた
現在110キロ
目からはずっと涙が出ている
そう僕は精神病らしい
こんな僕を友達に見てもらいたくなくて友達には会っていない
中のよかった友達に会いたい
体は動いていないのに心は大忙しである
ちなみに自殺未遂はまだ5回目
痛みを感じると頭の中がスッキリする
でもそのスッキリをもうおしまい
もう疲れた
終わりにしたい
朝おきたら意識がさめないでほしい
そうして眠りにつく
そして目が覚める
「もういきていたくないですか」
だれかの声が聞こえる
幻聴はなかったんだけど
もういよいよ終わりかなぁ
「おきているのでしょう?いきていたくないですか」
昨日の夜鍵閉めたかなァ
いっそだれかが入ってきてたとしたら殺してくれればいいのに
「猫になりたくないですか」
なりたいです
「わかりました」
たまには愉快な夢を見るものだな
目を開ける
トイレに行こうと思い立ち上がる
スタスタとトイレに向かう
おや
まてなんだかおかしい
うちのトイレはこんなに巨大だっただろうか
というかなんかいろんなにおいと音が聞こえてくる
くさいぞこの部屋
チーズのにおいがする
あとなんかこうカビくさい
となりの部屋の声が聞こえる
「あ、すいません寝坊してしまったんで少し遅刻します・・・!
はい・・・はい・・・すいませんすぐにいきますので」
女性の声だ
そういえばお隣さんは散歩のときばったりあったけど
OLぽかったな
それよりトイレは・・・
というか僕4本足であるいてるきがする
とにかく便座にとびのる
用を足す
あれ・・・いまこんなに便座から距離があるのに飛んだのか・・・?
まぁ用も足したしながすか
指がない
というかなんか毛むくじゃらだ
トイレの上に鏡がおいてあった
少し上って顔を見てみた
そこには真っ黒の猫が映っていた
何回まばたきをしても猫だ
毛並みはなかなかいいようだ
すごいリアルな夢だなぁ
「お気に召したでしょうか」
鏡の中のねこが勝手にしゃべる
はぁ・・・あなたはだれですか
そして僕は猫になったのですか
「私はあなたの心にずっといました22年間そばにいましたが、疲れたあなたを見ていられませんでした。そこで神様にお願いしてどうかあと2年の寿命を猫にさせてあげてと頼んだのです。」
どうやら僕はあと二年の命だったらしい
「あなたは猫になりました。好きなことをしてください」
そういって鏡の猫はもう何もしゃべらなくなった
そういえば体がどこも痛くない
とても軽くて5mくらいはジャンプできそうだ
人間のときは腰痛頭痛がひどかったのに
寒くもないし
窓からちらりと青空が見えるので晴れているようだ
まぁ調子がいいなら外にでもいくか
ドアのほうに歩いていく
しかしドアノブはあけられない
しまった猫っていうのはドアノブが回せないじゃないか
しかも鍵がしまっていない
やっぱり昨日かけ忘れたのか
そういえば声はでるのだろうか
「にゃあ~ん」
声は猫らしくにゃあしか言えない
考えることはできてもやっぱり猫か
まぁないてればなんかおきないかと思い
ひたすらないてみるか
ピンポーン
チャイムがなる
「にゃ~ん」
コンコン
「にゃ~ん」
こんな時間に人なんて珍しいな
新聞の勧誘だろうか
光熱費は引き落としになってるしたしかまだお金もはいってたきがするけど
まぁわざわざ返事しなくても良いか
「すいません~隣の田中なんですけど・・・ここって猫かっちゃダメですよね?あけますよ~?」
ガチャりとドアが開く
しめた!と思いするりと外にでる
「あ!やっぱり猫いるじゃないですか!管理人さんにいいますよ!?」
「あれ・・・?だれもいない」
田中さんとやらはすごい真面目な方みたいだな
そういえばこのアパートはペット禁止だった
まぁ外に出られたんだし感謝しないとな
ありがとう隣の田中さん
階段を下りて近くの道路にでる
外はきれいに晴れていた
雲ひとつない青空だ
今何時なんだろうか
まぁ気にする必要もないか
親に電話もしてないけど猫だし
まぁいいだろ
それにしても太陽の光がやけにあったかいなぁ
道端でごろごろするなんてすごい気持ち良いな
こんな気分がいいのは大学二年のころライブの打ち上げで酔っ払ったとき以来だ
しばらくすると田中さんが階段からおりてきた
「あ、この猫こんなに気持ちよさそうにごろごろして・・・」
猫に向かって話しかけるとはこの人も猫がすきなんだろうか
まぁひまなのか一人暮らしってのはなんだかさびしくなるものだよな
そういわれると何か反発したくなりキリっと座って田中さんを見上げる
「え?私の言ってる言葉がわかるの?・・・ってそんなわけないか」
「にゃ~ん」
「え?ほんとに・・・?じゃあわかったら今度は二回鳴いて」
「にゃ~ん」
「にゃ~ん」
「すごい!人間のいうことがわかる猫だなんて!」
なんだか嬉しそうだがこの人遅刻がどうとかいってたんじゃないだろうか
スーツを着てるしOLってかんじだよなぁ
「あ、こんなことしてる場合じゃないんだもっと遅刻しちゃう じゃあ黒猫さん今日18時くらいに帰ってくるからそのときにえさをかってきてあげるね」
田中さんはスタスタと駅のほうに歩いていった
ヒールの音がカツンカツンいってる
そういえばおなかがすいたな
夕飯はどうやら田中さんのおごりらしいから
とりあえず朝ご飯か・・・
近くのコンビニにはベンチがある
そこで座ってればだれか猫好きな人が食べ物でもおいていってくれるか
早速歩いていく
体が軽い
地面も暑くないし非常に軽やかだ
ああ猫ってすばらしい
おっと車にはきをつけないとな
コンビニのベンチに座る
ここは日が当たるから非常にあったかいな
1時間ほどごろごろしていると制服を着た女の子が近寄ってきた
「あ、猫がいる!かわいい~!」
高校生くらいだろうか
そんなことよりえさがほしいんだが
「おなかすいてる?猫って何が好きなんだろ・・・やっぱり魚かなぁ?」
「にゃ~ん」
「そうだよね!じゃあ今休憩中だし猫の缶詰をおごってあげよう!」
なんだか元気な女の子だな
そういえば猫の缶詰ってどんな味がするんだろう
「はい、どうぞ」
出された缶詰をひたすらたべる
味がしないな
まぁもらったもの残すのも悪いし全部たべよう
「すごい勢いだねぇおなかすいてたの?」
「にゃ~ん」
「そうかそうか!たくさんお食べ~」
食べ終わる
口の周りを舐めてきれいにする
一応お礼はしないとな
キリっと背筋を猫背にしておじぎをする
「え?お礼?猫がおじぎした・・・?」
「にゃ~ん」
「きのせいだよね・・・でも毛並みスゴイ綺麗だしお行儀よかったり変わった猫だね」
「にゃ~ん」
「あははほんとにおしゃべりしてるみたい!」
この女の子は学校でいじめを理由に行けなくなり退学している
18歳で高校を中退して今はフリーター
両親は17のときに離婚して今は母親と二人で暮らしているが、母親はめったに家に帰ってこない
苦しいときはアームカットをしている
二の腕なら夏制服を着ても大丈夫だし
リストカットだと傷口を見せないように長袖をきたりするから
あれ?なんでこんなことわかるんだ
というか彼女の目を見ればなぜかわかる
ひどいいじめを受けて学校にいけなくなって
父に相談してもしらんぷり
母に相談してもお金払っているんだからうだうだいってないで行きなさいだけ
毎朝千円だけ持たされて家を追い出される
そしてこのコンビニでパンと雑誌を買って一日過ごし
家に帰る
それを繰り返した
学校から退学通知が来て
父親から殴られる
なんで学校にいかなかったんだ
もうお前を育てる気はない
父はそれから帰ってこない
母は自分の食費くらい自分で稼ぎなさいあとお金をためてはやく出ていきな
両親から捨てられた
僕は涙が出ていた
「え?君どうしたの?なんでないてるの・・・?大丈夫?」
大丈夫じゃないのは君のほうだ
今でも帰って自分を傷つけて感情を押し込んでる
なんでこんな動物にえさをあげられるようなやさしい子がまっとうにいきてないんだ
あんな綺麗に笑っていたのに
僕はひざに登って体を二の腕にこすりつける
「・・・」
彼女の表情がだんだんと悲しい顔になっていく
「どうして・・・」
服の上から二の腕を舐めてあげる
猫にできることなんてこんなに少ない
人間だったら話を聞いて会話くらいできたのに
もしかしたら精神科だって心療内科だって今はお医者さんがいっぱい頑張って弱い人を助けているのに
話し相手にもなれないなんて
「ありがとう、本当に変わった猫だねちょっと元気がでたよ!」
感謝された
「にゃ~ん」
どういたしましても言えない
きらくにいこうよともいえな
「そろそろ休憩終わるから!またね黒猫さん!」
彼女は元通り笑顔になって店に戻る
僕はなんて恵まれていたんだ
食べるものもすむところもあって
居場所があった
好きな音楽を聴いて
親は見捨てないで毎日はげましてくれてたのに
ずっと何もしなかった
あの子に比べれば僕はちょっと失敗して落ち込んでいた
そこから動けなかった
あの子は自分を傷つけながら必死に生きている
動いている
僕は猫になってしまった
あの子は少し元気になったみたいだ
僕は猫だ
寝よう
そのときのゆめは
小さいころ初めて家に猫がきたとき
兄がついてきたからといってひろってきた
ぼくはひっかくからねこがきらいだった
家族会議で反対したのはぼくだけだろう
毎日びくびくしていたけど
動物好きな友達に抱っこの仕方を教わって
少しずつねこがすきになっていった
気がつくとあたりは暗くなりかかっていた
「黒猫さんバイトおわったよ」
さっきの子が話しかけてきた
「にゃ~ん」
「うん!ありがとう!」
お疲れ様といったのだが伝わったのだろうか
「なんか君を見ると疲れがとれるきがする!じゃまた会えたらね!」
女の子は僕の住んでたアパートのほうに向かった
もしかしたら近くに住んでいたのだろうか
コンビニの時計を見ると6時になっていた
そういえば田中さんにおごってもらう約束だ
僕はアパートに向かった
そこには田中さんがちょうど駅のほうから歩いてくる
なんだかうつむいている
手にはコンビニのビニール袋をさげている
「あ・・・黒猫さん時間通りにくるなんて、やっぱり言葉わかるの?」
急に顔があかるくなりしゃがんで話しかけてきた
うなずく
「あれ?いまうなずいた・・・?本当にへんな猫だね、君」
笑いながらコンビニ袋をがさがさとする
「はい、待っててくれたご褒美」
猫の缶詰をだす
僕はひたすらそれを食べた
味はしないがせっかく買ってきてくれたのだ
ご馳走になろう
「よくたべるねぇ!」
半分くらい食べ終わったところで
「はぁ・・・私次遅刻したら会社クビだって・・・どうしよう・・・」
僕は食べるのをやめて田中さんの顔を見上げる
「昔から朝弱くて私・・・24にもなったのに自立できないのかな・・・なさけないよね・・・」
「そうだ君朝おこしてよ7時におこしてくれれば間に合うんだ」
僕はうなずく
「・・・あははじゃあ君、私のペットになる?あんまりにゃーにゃーいわなければ家においてあげるよトイレは人間の使えるのかな猫って・・・」
ぼくはうなずく
「つかえるの!?そういえばテレビでそんな猫もいるっていってたけど・・・まぁ大家さんにばれないようにひっそりうちにおいでよ」
にゃ~ん
「ではご案内します」
ははーとおじぎをする
どうやら少し元気は出たみたいだ
にしても猫に仕事を頼むっていうのもやっぱこの人へんなひとだな
そういえばぼくも変わった猫か
初めて投稿しました。拙い文章で申し訳ない・・・。一応自分も気分障害(うつ病のことをいまこういうらしいです?)であった時期があります。今は少し回復しています。たまに自殺願望はあったりしますが行為までいかないくらいに回復しています。その時の気持ちとか吐き出して自殺の辛さとその人の優しさとか立ち直りかたとか接し方をちょっとずつお伝えできたらと思います。
昔の文学ではこういった病んでた心を描く作家が偉大な作家みたいですね
夏目漱石・・・太宰治・・・
有名どころはこのへんですかね・・・?
あと宮沢賢治とか
芥川龍之介とか
こんどこのへんの本を買って読んでみたいですね・・・!
うつ病になるとだれか理解者がほしくなるんじゃないかなぁって思います
実際の人じゃなくてもこうやって小説に昇華させてる人も世の中にはいるわけで
いやはや世界は広いものですな
ここまで読んでくれた方本当にありがとうございます
とりあえず投稿!って感じだったのでまだまだ勉強してもっと読みやすくなるように努めていきたいと思っております
いやぁしかし猫はいいですよねぇ