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目覚めたら、魔王に転職!? ~底辺スタートから世界統一はじめました~  作者: ふじなみ


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第33話 ―― 護衛隊解散と、魔王城の再会


交易路が本格的に安定してから、ちょうど1ヶ月が経った。


ルシフェリアは屋敷の広間で、

護衛隊の面々を集め、静かに告げた。

「みんな、本当にありがとう。

 交易路はもう安定した。

 これ以上、護衛隊を続ける必要はない。

 今日で、正式に解散とするわ」


広間に静かな驚きの空気が広がった。


ガルドが斧を肩に担ぎ、

「え、もうかよ!俺、もっと暴れたいぜ!」

シルヴィアが弓を下ろし、

「寂しいわね……

 でも、みんな無事でよかった」


ルナは帽子を押さえながら、

「えー!もう終わりですか!?

 私、まだ役に立てたのに……!」


ミリアスは静かに頷き、

「わかった。父の知識を、

 ここで活かせたのは、俺にとっても意味があった」


ルシフェリアは優しく微笑み、

「みんなの力で、ここまで来れたよ。

 セレナさんから、解散後の職の斡旋も用意してもらってる。

 街道沿いの警備や、他の安全な任務……

 希望者は、商会経由で紹介するわ。

 無理に続ける必要はないから、自分の道を選んでね」


セレナが横から、

「もちろん。商会が責任を持って、

 みんなの次の場所を用意するわ。

 給与も、今までより良い条件でね」


隊員たちは少し寂しそうにしながらも、それぞれ頷いた。

解散の挨拶が終わった後、ルシフェリアはセレナを別室に呼んだ。


「セレナさん……魔王城の修復を、本格的に始めたいの。

 危険な任務になるし、魔物限定で集めたい。

 ギルド経由だと、もうバレ始めてるから、

 別の募集方法を考えてほしい」


セレナは目を細め、

「わかったわ。魔物限定で、信頼できる者だけを集める。

 商会が持ってる裏ルートを使えば、ギルドの目も避けられる。

 ただ、危険度は高い。報酬も、それ相応にしないとね」


ルシフェリアは頷き、

「ありがとう。お願いするわ」


その後、ルシフェリアは剣の亡霊を呼び出した。

「剣の亡霊さん……

 夜、空いてない?

 少し話したいことがあるの。

 ……リリも一緒に来てほしい。

 あなたに、見せたい場所があるの」


剣の亡霊は無言で頷いた。

ルシフェリアは微笑み、

「ありがとう。今夜、

 転送魔法陣で一緒に……行きましょう」


三人は転送魔法陣を使い、

魔王城の玉座の間に現れた。


崩れかけた玉座、ひび割れた壁、埃にまみれた床……

月明かりが、静かに差し込んでいた。


ルシフェリアは剣の亡霊に向き直り、

静かに言った。

「剣の亡霊さん……ここが、私の本当の城。魔王城。

 ヴェルディアの書物に書いてあったの。

 この城の結界が、古い魔物の呪縛を緩める……って。

 ……鎧、外してみない?」


剣の亡霊はゆっくりと、

鎧の面頬に手をかけ、静かに外した。


マスクの下から現れたのは、

端正な青年の顔。


赤い目が、月明かりに映えて、

より深く輝いていた。

青年は低く、

「……俺は、レオン。

 古い魔物種族の生き残りだ。

 剣の亡霊と呼ばれていたが、

 本名はレオン。……ここは、俺の制約が解ける場所だ。

 魔王城の結界が、俺の呪縛を、一時的に緩めてくれる。

 ……だから、今まで外せなかった」


ルシフェリアは優しく微笑み、

「レオン……ありがとう。本当の姿を見せてくれて。

 これからは、鎧を外したままでいてもいいよ。

 ここは、レオンも、私の仲間だから」


リリはレオンの隣に立ち、

「レオンさん……やっと、素顔を見せてくれたね。

 フェリちゃん、ずっと待ってたんだよ」


レオンは少し照れくさそうに、

「……ありがとう。俺は、剣を振るうことしか知らなかった。

 だが、ここに来て、お前たちと一緒にいるうちに、

 少しだけ、違う道が見えてきた」


ルシフェリアは優しく、

「レオン……改めて、

 仲間になってくれないかな?

 ここで、一緒に魔王城を復興させたい」


その瞬間、三人の間に淡い光が広がった。

ルシフェリアのステータスに変化が起きた。

【絶対的支配(Lv.1) → Lv.2】

効果強化:対象者の忠誠心・信頼度が大幅に上昇。

支配の範囲と持続時間が向上し、

味方へのバフ効果(身体強化・士気向上)が安定する。


リリのステータスにも変化。

【月桂香(Lv.1) → Lv.2】

効果強化:闘争本能・集中力・決断力が大幅に向上。

痛み軽減効果が追加され、

仲間への信頼感も微増。

持続時間と範囲が拡大。


レオンもまた、剣を握る手に力がこもった。

【剣の亡霊レオン

【スキル:無限闘争(強化)】

効果:戦闘中ステータスが上昇し続ける。

仲間がいることで、上昇率がさらに向上。

痛み軽減効果が追加。


ルシフェリアは二人を見て、胸が熱くなった。

「二人とも……ありがとう。

 これで、もっと強くなれたね。

 魔王城を、みんなで、本当の居場所にしていこう」


その瞬間、部屋の隅の魔法陣が光った。

突然、ルナが転送されて現れた。


ルナは目を丸くし、

「え……ここ、どこ!?魔王城!?

 フェリちゃん……魔王……?それに……そこの人、誰ですか!?」


ルナの視線が、

鎧を外したばかりの青年――レオンに向けられた。


フェリは少し慌てて、

ルナの前に立ち、穏やかに説明した。

「ルナ……この人は、レオン。

 ずっと『剣の亡霊』って呼ばれてたけど、

 本当の名前はレオン。……私の仲間だよ。

 魔王城の結界が、彼の鎧を外すことを許してくれたの」


ルナはぽかんと口を開けたまま、

「レオン……さん?

 剣の亡霊さん……が、

 こんなイケメンだったなんて……え、え、え!?

 赤い目も、フェリちゃんと同じ……ってことは、

 レオンさんも……魔物……?」


レオンは静かに、

ルナの視線を受け止めた。

「……ああ。俺は古い魔物種族の生き残りだ。

 剣の亡霊と呼ばれていたが、本名はレオン。

 ……お前も、フェリの仲間になるなら、

 この秘密を守れ」


ルナはびくっと震え、

「ひゃっ……!わ、わかりました!絶対に言いません!

 ……でも、私も……ここにいたいです……

 フェリちゃんの仲間になりたい……」


リリは静かに微笑み、

「なら、少しだけ、私の香りを……」


リリは月桂香を優しく広げ、

ルナに軽い幻惑(記憶操作)をかけた。


ルナの瞳が一瞬ぼやけ、すぐに澄んだ。

「フェリちゃん……私、ここにいたい。

 みんなの仲間になりたい……よろしくお願いします!」


ルシフェリアはルナを抱きしめ、

「ありがとう、ルナ。これから、一緒にがんばろうね」


ルナは照れくさそうに、

「はい!私、絶対に役に立ちます!

 ……レオンさんも、よろしくお願いします!」


レオンは少しだけ口元を緩め、

「……ああ。よろしく、ルナ」


――魔王城に仲間が加わり、

 新たな絆が生まれた。

 底辺魔王の成り上がりは、

 仲間たちと共に、本格的な復興の道を歩み始めていた。


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