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目覚めたら、魔王に転職!? ~底辺スタートから世界統一はじめました~  作者: ふじなみ


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3/31

第3話 ―― 赤い瞳が目立ち、森の奥で作戦会議

初心者なんで、やさしくしてください。

まとめて書いた分の投稿です(3/5)


路地裏の薄暗がりに、三人の酔っ払った冒険者がじりじりと迫ってきた。


「おいおい、そこの魔族の嬢ちゃん……

 その真っ赤な瞳と立派な角、

 しかも後ろに可愛いサキュバスっぽいメイドまでくっついてる……

 高貴な魔族のお嬢様じゃねえのか?

 こんな夜に路地裏をうろついてるなんて…… 

 ちょっと連れてって、高く売れそうだな……」


ルシフェリアは全身を硬直させた。

(やばい……!高貴な魔族……?誘拐される……!

 赤い目と角が目立ってる……リリが従者みたいに見えてる……!

 魔王だってバレたら終わりなのに……!)


声が出ない。


心の中でパニックが爆発する。


リリが小さく息を吸った。

「フェリちゃん……後ろに下がっててください」


リリはなけなしの魔力をかき集め、両手を胸の前で軽く交差させた。


サキュバス固有の技――

【魅惑の薔薇香みわくのばらこう


彼女の体から、甘く濃厚な薔薇のような香りがふわりと広がった。

同時に、瞳が淡いピンクに輝く。


「ねえ……お兄さんたち…… そんな怖い顔、しないで……

 今日は三人とも、疲れてるんでしょう?

 ちょっとだけ……私に、任せてくれない?」


声がとろけるように甘く響き、香りが男たちの鼻をくすぐる。

三人の目が一瞬で虚ろになった。


「……あ……あぁ……いい匂い……」

「なんか……体が熱い……」


リリはさらに一歩踏み出し、指先で一番近くの男の頰を優しく撫でた。


「そう……いい子ね…… ここで少し、休んでて……

 後で、たっぷり遊んであげるから……」


男たちはその場でへたり込み、だらしなく笑いながら動かなくなった。

リリは魔力をほぼ使い切り、ふらふらと膝をついた。


「フェリちゃん……今です……走って……!」

二人は全力で路地を駆け出し、街の外れから森へと逃げ込んだ。

街から少し離れた、木々が密集した隠れ場所(リリが以前に知っていた小さな洞窟)へ急いだ。


魔王城までは森を抜けて丸一日近くかかる距離なので、

今すぐ帰るのは危険すぎる。


洞窟の中に転がり込むと、

ルシフェリアは壁に背中を預けて大きく息を吐いた。


「……はあ……はあ…… リリ、今の技……すごかった……

 サキュバスって、そんなことできるんだ……!?」


リリは地面に座り込み、弱々しく笑った。

「はい……【魅惑の薔薇香みわくのばらこう】っていう、

 男の人を一時的に魅了する技です。

 でも、魔力がほとんどないので、長くは持ちません……」


ルシフェリアは震える手で自分のステータスウィンドウを呼び出した。

【名前:ルシフェリア・ノクス】

【種族:魔王(新生)】

【レベル:1】

【称号:底辺魔王、元社会人ゲーマー、現代知識の持ち主】

【固有スキル】

・現実の交渉術(Lv.5)

・ゲーム脳(Lv.7)

・根性だけは一級品(Lv.10)

・友達力(Lv.6)

・マーケティングの嗅覚(Lv.4)

【特殊状態:魔力枯渇中/封印多数/魔王城崩壊寸前】


「……やっぱり、私には戦闘スキルとか誘惑スキルとか何もない……

 ただの地味スキルばっかり……」


暗い影が彼女の顔を覆う。リリが自分のステータスを小さく表示した。

【名前:リリィス(リリ)】

【種族:上級サキュバス(封印中)】

【レベル:12】

【スキル】

・魅惑の薔薇香みわくのばらこう(Lv.4)

・夢魔の囁き(Lv.3)

・魔力吸収(Lv.2)

・家事全般(Lv.8)

【特殊状態:主従契約ルシフェリア・ノクス/魔力極度低下】


「私も……ほとんど封印されてて、さっきの技が限界です……

 もう少し魔力があれば、もっと強くできたのに……」


ルシフェリアは膝を抱えて小さくなった。

「……作戦会議、しよう。

 まずは、私の赤い瞳と角をどうやって隠すか。

 リリの魔力を回復させる方法。

 それから……本当に信頼できる人を、慎重に探していくこと。

 この底辺魔王生活、思ったよりずっと危ないね……」


リリが優しくルシフェリアの肩に寄りかかった。


「でも、フェリちゃん…… 私、ずっと一緒にいますから。

 一緒に、なんとかしましょう」


ルシフェリアは小さく頷き、暗い洞窟の中で、

初めて本気で「どう生きるか」を考え始めた。


――魔王とメイドの、森の奥での作戦会議が始まった。


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