表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
目覚めたら、魔王に転職!? ~底辺スタートから世界統一はじめました~  作者: ふじなみ


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

27/34

第27話 ―― 訓練の炎と、剣の亡霊の視線

本日1本目~!


屋敷の裏庭は、朝から護衛隊の訓練で活気づいていた。


ミリアスが隊員たちを前に立ち、淡々と指示を出した。

「今日はお守りなしでやる。純粋な実力と連携を試す。

 戦闘時は、俺の合図で動け。

 まずは盗賊巣窟の再現から始める」


ガルド(オーク戦士)が斧を肩に担ぎ、

「よし!お守りなしでも、

 俺の斧でぶっ飛ばしてやるぜ!」


シルヴィア(エルフ弓使い)が弓を構え、

「後方から援護します。お守りなしなら、

 より正確な射撃が必要ですね」


ルナ(魔導士)は帽子を押さえながら、

「火の玉連射、準備OKです!

 風の壁も張れます!

 ……寝坊しないように頑張ります!」


剣の亡霊は無言で剣を抜き、

赤い目だけが鎧の隙間から光っていた。


ルシフェリアはリリとセレナの横から見守り、

「ミリアスさん……みんなを頼みます」


ミリアスは頷き、

「任せろ。お守りなしだからこそ、

 本当の連携が見える」


訓練は過酷だった。

囮部隊(ガルド+ルナ+剣の亡霊)がダミー盗賊を引きつけ、

本隊(シルヴィア+他隊員)が裏道から抜ける。


お守りがない分、隊員たちの息がすぐに上がった。

ミリアスは冷静に、

「囮部隊、撤退速度が遅い。ルナ、風の壁で援護しろ。

 ガルド、前進を止めるな!」


ルナが風の壁を張り、

ガルドが斧を振り回してダミーを薙ぎ払う。


剣の亡霊は一瞬でダミーを斬り裂き、

囮部隊の撤退をカバーした。


訓練終了後、ミリアスは隊員たちに言った。

「初回にしては上出来だ。

 だが、実戦ではお守りなしの時間も長い。

 明日から、夜間訓練を追加する」


隊員たちは頷き、散っていった。


ルシフェリアは剣の亡霊が去る背中を見て、

セレナに小声で言った。


「剣の亡霊……訓練中も、

 ほとんど言葉を発しないですね。

 赤い目……私と同じなのに、

 何を考えてるのかわからない……」


セレナは静かに、

「彼は帝国の特務隊として、

 ルミナス国境の監視任務も兼ねてるわ。

 本当の目的は……フェリの動きを見張ってる可能性が高い」


ルシフェリアは拳を握り、

「見張り……なら、

 ここで味方にできれば……一番いいけど……」


セレナはくすりと笑い、

「面白いわね。彼が本物の魔物だったら、

 どうする?転生者じゃなく、

 古い魔物種族の生き残り……という噂もあるわ」


ルシフェリアは息を飲んだ。

「魔物……?それなら、私と同じ……

 仲間になれるかも……」



その夜、リリは作業部屋で一人、

新たな香りの試作に取りかかっていた。


「フェリちゃんが

 『闘争用だけど、癒し寄りにしたい』って言ってたから……

 月桂香を、少し優しく調整してみよう」


リリはヴェルディアから送られてきた本を参照しながら、

月桂の葉をすり潰し、自分の魔力を混ぜ始めた。


「闘争本能を高めるけど、

 痛みを感じづらくなる効果も加えられたら……

 戦うみんなの負担が少し減るかも」


リリは魔力を集中させ、葉を丁寧に練り続けた。

やがて、淡い緑の光がリリの周りに広がった。


その瞬間、リリのステータスに変化が起きた。

【リリィス(サキュバス)】

【スキル:月桂香(試作) → Lv.1】

効果:月桂樹をモチーフにした香り。

対象者の闘争本能・アドレナリンを刺激し、

戦う前に纏うと集中力・決断力が向上。

レベルアップにより、

痛みを感じづらくなる効果が追加される。

持続時間と範囲はレベルに応じて拡大。


リリは額の汗を拭い、

少し疲れた笑顔で呟いた。

「できた……これなら、護衛隊のみんなが、

 少しでも安全に戦えるかも。

 でも、闘争用って……やっぱりちょっと複雑な気持ちだな」


ルシフェリアが部屋に入ってきて、

リリを抱きしめた。

「リリ……ありがとう。本当に助かるよ。

 これで、みんなを少しでも守れるね」


リリは照れくさそうに、

「フェリちゃん……これからも、

 一緒にがんばろうね」


――護衛隊の訓練が始まり、

 リリの月桂香が完成した。

 底辺魔王の成り上がりは、

 新たな仲間と、未知の敵に囲まれながら、

 次の試練に挑もうとしていた。



評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ