第26話 ―― 護衛隊の完成と、駆け込みの魔導士
本日ラスト!!
商会店舗の奥部屋は、
その日の午後も応募者で溢れていた。
セレナが依頼書を掲げて笑った。
「高額護衛依頼、噂が広まりすぎて大変よ。
お昼までに6人決まったわね。
残り2人、今日中に決めないと初回テストが遅れる」
ミリアスは淡々と、
「あと2人。戦闘経験豊富な者を優先する。」
ルシフェリアは少し緊張した顔で、
「ミリアスさん……ありがとう。
あなたがいてくれて、本当に心強いよ」
午後になってからも応募者が続々と現れた。
決定7人目は、重装の人間戦士。
ミリアスが短い面接で即合格。
そして、日が傾きかけた頃、
ドアを勢いよく開けて飛び込んできたのは、
帽子が大きすぎる魔導士の少女だった。
ローブは少し汚れ、息を切らしながら叫んだ。
「間に合いましたか!?駆け込みで……!
『国境交易護衛』ですよね!? 私、魔導士のルナです!
火と風の魔法が得意で、報酬も頑張ります!お願いします!」
部屋の中が一瞬静まり、
リリがぷっと吹き出した。
ルシフェリアは笑顔で、
「ルナさん……間に合いましたよ。
どうぞ、中へ」
ルナは慌てて帽子を直し、
「ありがとうございます!
実は、ギルドの掲示板見たのが昨日で、
寝坊して……でも、絶対に役に立ちます!
火の玉連射できます!風の壁も張れます!
騙されやすいけど、スキルはピカイチです!
……あ、今のは余計でしたね……
実は、S級依頼の後方支援で3回実績があります!
……でも、騙されて報酬をピンハネされたこともあるんですけど……」
ミリアスはルナをじっと見て、
「実力は?」
ルナは杖を振り上げ、
小さな火の玉を浮かべた。
「これで、火の玉連射できます!
風の壁も張れます!護衛なら、後衛で援護します!
お願いします!」
セレナがくすりと笑い、
「可愛いわね。ミリアスくん、どう?」
ミリアスは少し考え、
「……合格だ。ただし、寝坊は禁止。
次は遅刻したら、補給係に回す」
ルナは飛び上がって喜んだ。
「やったー!ありがとうございます!
絶対に頑張ります!」
ルシフェリアはルナの元気な姿を見て、
思わず微笑んだ。
(……おっちょこちょいで、騙されやすいみたいだけど、
S級依頼の後方支援経験があるなんて……
もっと評価されるべき子だな。
なんか……親しくなりたいな)
セレナが最後に言った。
「これで、護衛隊7人+剣の亡霊でスタートよ。明日から訓練開始ね」
ルシフェリアはみんなの顔を見て、
静かに決意した。
「うん……みんなで、慎重に進めよう」
……護衛隊が結成され、
新たな仲間と、遠くの影が近づいていた。




