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目覚めたら、魔王に転職!? ~底辺スタートから世界統一はじめました~  作者: ふじなみ


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第16話 ―― 隠れ店舗の成果と、隠された効果

お休みの日は1日1本投稿!


黒薔薇商会の隠れ店舗は、

開店から数日で噂が爆発的に広がった。


冒険者たちが

「持っているだけで疲れが取れる」

「持っているだけで傷の治りが早い」と口々に言い、

口コミが口コミを呼び、毎日店前に行列ができるようになった。

(そんな効果はない)


売上は銅貨500枚を超え、

セレナは満足げに帳簿を閉じた。

「予想以上ですね、フェリ。この調子なら、

 1ヶ月で商会の一角をあなたのものにしてもいいですよ」


ルシフェリアは少し警戒しながらも、笑顔で頷いた。

「ありがとうございます。

 でも……みんなの生活を安定させたいんです。

 店が安定したら、次は家を……」


セレナはくすりと笑った。

「家ですか。ちょうどいい物件があります。

 街外れの古い屋敷ですが、商会名義で借りられます。

 手数料は……いつもの5割でいいですよ」


ルシフェリアは目を丸くした。

「……本当に?

 でも、ギルドの目がまだ光ってる。

 屋敷まで借りたら、もっと目立つかも……」


セレナはローブの袖を払い、

「商会名義なら問題ありません。

 表向きは『商会の一時使用物件』として登録します。

 ……あなたたちの『特別な血筋』、

 少しずつ教えていただければ、もっと協力できますよ」


ルシフェリアは一瞬迷ったが、

みんなの顔を思い浮かべて頷いた。

「……わかりました。

 屋敷、借りてください」


セレナは満足げに微笑んだ。

「では、契約成立です。

 明後日には鍵をお渡しします」


セレナが去った後、

ルシフェリアはリリを店舗の奥の小さな部屋に呼び、

二人きりで座った。


ルシフェリアは深呼吸して、

「リリ……セレナさん、血筋の情報を求めてるけど……

 どこまで話す?」


リリは尻尾を軽く振って、

「フェリちゃん……転生者のことは、絶対に隠そうね。

 私も知ってるけど……

 あれはフェリちゃんだけの秘密だよ」


ルシフェリアは頷いた。

「うん。赤い目と角は『前魔王の遠い親戚』ってことにして……

 魔王の血を薄く引いてるだけ、って説明でいいかな?」


リリは優しく微笑んだ。

「それでいいと思う。

 セレナさん、情報を簡単に渡さない人みたいだから、

 私たちも全部話さずに、少しずつ様子を見ながらで」


ルシフェリアはリリの手に自分の手を重ね、

「ありがとう、リリ。

 転生のこと……リリだけは知ってるけど、

 他の人には絶対に言わないでね」


リリは強く頷いた。

「もちろん。

 フェリちゃんの秘密は、私の秘密でもあるから」


ルシフェリアは静かに息を吐き、

「これで……少しは信用してもらえるかな。

 みんなを守るために……」



その夜、セレナはルシフェリアを店の奥の部屋に呼び、

二人きりで話した。


「フェリ……あなたのハンカチ、

 ただの癒しグッズじゃないんですよ」


ルシフェリアはびくりとした。

「……どういう意味ですか?」


セレナはハンカチを手に取り、

リリの香りを嗅いだ後、静かに言った。

「この薔薇香……一時的に嗅いだ人を操る効果があります。

 疲れを癒すふりをして、軽く暗示をかけるんです。

 だから、冒険者たちが『また買いたい』って戻ってくる。

 ……あなた、知らなかったんですか?」


ルシフェリアは息を飲んだ。

「操る……?

 そんな効果があったなんて……

 リリは、ただ癒したいだけなのに……」


セレナは目を細め、

「知らなかったなら、なおさら面白い。

 この効果……商会として、もっと活かせますよ。

 でも、フェリ……あなたは『調和』を望むタイプですよね?

 支配や制圧じゃなく」ルシフェリアは静かに頷いた。


「……はい。

 みんなが安心して暮らせる場所を作りたいんです」


セレナは低く笑った。

「ふふ……なら、私も協力します。

 この商会、元魔王領の商人として、

 支配より調和の方が長続きするって知ってるから。

 ……あなたを信用しますよ、フェリ」


ルシフェリアは少し驚いたが、

セレナの目に嘘がないのを感じて、微笑んだ。

「ありがとうございます……セレナさん」


――隠れ店舗の販売が再開した。

 ハンカチの噂はさらに広がり、

 底辺魔王の成り上がりは、

 新たな協力者を得て、次のステージへ進んだ。

 セレナとの取引は始まったばかりで、

 血筋の秘密は、まだぼかされたままだった。



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