File No.31 衝撃の作戦
実は、加江田が二人のもとを離れたあと、二人はある名案を考えていた。
それは、必ず加江田を救うことを前提に、彼を利用してリベルタスの情報を引き出す作戦だった。
まず岩山は、わざと加江田に有給休暇を取らせ、彼を暇な状態にした。
次に宇佐美が、「カフェでも行ったら?」という内容のメールを送り、カフェに行くよう誘導した。
実はその前に二人は、ブックカフェ「ツタ」におり、そこにリベルタスのメンバーがいることに気づいていたのだ。
リベルタス側も加江田を殺したかったため、彼を誘導したいと考えていた。
そして加江田は運よく、リベルタスのメンバーの隣の席に座ることになった。
その隙に二人は物陰に隠れ、空気銃で加江田の背中にGPSと盗聴器を撃ち込み、装着させた。
しかし、リベルタスのメンバーは、加江田が私服だったため、公安の装備を身につけていないと思い込んでいた。
もちろん、加江田本人もそのことには気づいていなかった。
その後、加江田はリベルタスのメンバーを追跡し、メンバーのほうも思惑通り、それを許した。
そして加江田は、歌舞伎町の地下シェルターへと入っていった。
その時点で、宇佐美と高杉、そして大勢の公安機動隊員は、GPSを頼りに加江田を追跡しており、歌舞伎町へ向かっていた。
やがてロペスピエールにすべての秘密を白状させたあと、宇佐美たちと、警察官、公安機動隊は、加江田を救出したのだった。
「宇佐美、高杉!!」
加江田は、嬉しそうに叫んだ。
「大変でしたね、かえるさん」
高杉が言った。
「時間がありません。早くここから脱出しましょう」
そう言って宇佐美は、ハサミで紐を切った。
「さあ、行きますよ!!」
三人はそのまま地上へ出た。
すると、あたりは騒然としていた。
爆弾が埋められていることが判明し、人々が一斉に避難していたのだ。
「爆弾の起動装置は、誰が持っているんだ?」
歌舞伎町を走りながら、加江田は宇佐美に聞いた。
「ロペスピエールです。現在、渋谷スクランブルスクエアの屋上にいるという情報が入っています。すでに警察官と、機動隊が彼を取り囲んでいます」
宇佐美はそう説明した。
「じゃあ、なぜ機動隊は捕まえない?」
加江田は不思議そうに聞いた。
「起動装置を持っているため、むやみに手を出せないんです」
宇佐美は答えた。
やがて三人は歌舞伎町を抜け、新宿三丁目に到着した。
そこには、覆面パトカーが停まっていた。
「さあ、乗って」
宇佐美に促され、三人は車に乗り込み、急いで渋谷へ向かった。
渋谷に到着すると、三人は走って渋谷サクランブルスクエアの中へ入った。
しかし、そこは大勢の人々でごった返しており、思うように進めなかったのだ。




