File No.29 秘密の認知
「…目、覚ましたか?」
地下シェルターで、いかつい男性が、目を開けた加江田に問いかけた。
加江田は驚いた表情を浮かべ、次の瞬間、自分の手足が椅子に縛られていることに気づくと、必死に抵抗した。
「抵抗しても無駄だ。お前はいずれ殺される」
男はそう言いながら、ゆっくりと鋭い刃物を取り出した。
それを見た瞬間、加江田は背筋に鳥肌が走るのを感じた。
「お前は誰だ!?」
加江田は叫んだ。
「俺はクロムウェル、サブリーダーだ」
ラルフは意地悪そうに言い放った。
「お前が、十年前に起きた新宿暴動事件の首謀者だな!?」
「そうだ。俺が首謀者だ」
クロムウェルは淡々と答えた。
「…よくも…よくも俺の両親を殺したな!? 俺は死んでも許さない!!」
加江田は怒り狂い、叫んだ。
すると、クロムウェルは突然、笑い出した。
「ハハハ…ハハハハハ…ハーッハハハハハハ!!」
「どうした!? 何が面白い!!?」
加江田は怒鳴り、クロムウェルを睨みつけた。
「そっくりだな。お前の父親に」
クロムウェルは笑みを浮かべて言った。
「俺の両親について知っているのか!?」
加江田は怪訝そうに、声を荒らげた。
「ああ。何しろ、あの夫婦は公安だったからな」
クロムウェルのその言葉に、加江田は言葉を失うほどの衝撃を受けたのだった。




