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僕が幼馴染を殺しちゃう日  作者: 猫の集会


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6/6

突然

 こんなウジウジした僕は、あまり蓮奈に関わらないようにしなきゃと、距離を置いている。

 

 というか、ほんと接点がないから普通に暮らしていれば、クラス替えするまで一言も話さない可能性も高い。

 

 

 クラス替え⁇

 

 いや、僕たちは中学三年生じゃないか…

 

 あぁ…そうか。

 

 このまま僕たちは、卒業するのか。

 

 

 小学生の頃は、ギリ登校班なんかで関わっていたけど、中学は関わらないけど同じ空間にいられた。

 

 でも…

 

 卒業したら、もう接点なんてまるでないな。

 

 かろうじて、ご近所さんってな感じになってしまうのかな。

 

 高校は、一緒になる確率なんて低いし…

 

 でも、その方が蓮奈は安心か。

 

 こんなキモい僕と離れられるんだもんな。

 

 僕は、蓮奈が好きだけど…だからどうした?ってことだ。

 

 蓮奈は、僕が嫌いなのだから。

 

 とにかく卒業まで…そっと静かに過ごして、僕の恋は終わりを告げる。

 

 そう思っていた。

 

 でも、突如事件はおきてしまったのだ。

 

 

 そろそろ、下校前のホームルームが始まろうとしていた時だ。

 

 皆帰りの支度をして、先生待ちだった。

 

 そんな時、相沢さんがいきなり僕にとんでもないことを言ってきたのだ。

 

 

「ねぇ、わたし達付き合っちゃおうよ‼︎」

 って。

 

 ⁉︎

 

 いきなりの爆弾発言…

 

 そして、そんな大声で…そんなこと。

 

 一瞬、教室がシンと静まりかえった。

 

 そしたら、今度は蓮奈がとんでもない発言をしたのだ。

 

「わたし…死ぬわ」

 って。

 

 

 ええええええええっ⁉︎

 

 な、なんて⁉︎

 

 蓮奈は、窓に向かって進んできた。

 

 

 飛び降りるつもりなのだろう。

 

 

「待って‼︎蓮奈‼︎危ないから‼︎」

 

 僕は、とっさに蓮奈に抱きついた。

 

「離して‼︎」

「ヤダ‼︎僕は、好きな人がそんなことするのは、絶対やなんだ‼︎」

 

 …

 

「え…好き?でも真守は、ザワと付き合うんでしょ。」

「付き合わないよ‼︎僕は、蓮奈がずっとずっと昔から好きなんだ‼︎」

 

 …

 

「じゃあ、なおさら死ななきゃだ」

「なんで、そうなるんだよ⁉︎そりゃ…僕は、蓮奈にとってキモい存在だけど…なにも死ななくてもいいだろ。僕が幼馴染で嫌気がさしたからって…死なないでよ。好きになってごめん。僕、蓮奈のこと諦めるから。だから…死なないでよ」

 

 …

 

「わたし…前に真守と付き合うくらいなら死んだ方がマシって…言った。ほんとは、好きなのに…言ったの。付き合いたいの‼︎真守が他の人と付き合うの見たくないの‼︎大好きだから…だから…死んで詫びるの。付き合うくらいなら死んだ方がいいって言ったんだもん。好きなんだもん。付き合いたいもん…」

 

 蓮奈は、ポロポロと涙を流した。

 

「蓮奈…ならさ、死ななくてもいい方法があるよ。」

「…なに?」

「人の気持ちなんて、かわるものだよ?だから、また言えばいい。死んだ方がマシって言ったの撤回‼︎って。」

「あ…そ…うか。じゃあ、言うね?わたしは…死なない‼︎真守と付き合いたい‼︎」

 

 蓮奈の言葉が発されると、クラス中から拍手がわき起こった。

 

 そして、陽キャ男子が僕に

「オレさ…内心真守には、敵わないと思ってたよ。オレが調子悪いとき、すぐ保健室連れてってくれたよな。あん時は、ありがとうな。おめでとう」

 って。

 

 

 それをみていた相沢さんは、

「やっぱりか。蓮奈がなかなか本音言わないから、奪ってやろうって思ったのに。残念…ねぇ、蓮奈…あたしさ、性格歪んでるよね。卒業までの間、無視してくれていいから。ごめん…じゃ」

 

 と、相沢さんはバッグを背負って廊下に出て行った。

 

 そこで先生がきたっぽい。

 

「先生、お腹痛いから保健室行って帰ります‼︎」

 って声が聞こえた。

 

 

 教室に入ってきた先生は、なんか異様な空気を察して、一番前の席の人に、なんかあった?と聞いていた。

 

 質問された生徒は、ううん。と首を横にふったので、何事もなかったかのように帰りの会のホームルームが始まった。

 

 

 帰りにもう一度、蓮奈とはきちんと話そうと思う。

 

 僕は、ものすごく反省した。

 

 蓮奈が僕を好きだったなんて…

 

 なぜ気づかなかったのだろう…

 

 一歩間違えたら、蓮奈はここにもういなかったかもしれない…。

 

 僕のせいで、蓮奈がこの世から消えていたかもしれないと思うと、ゾッとした。

 

 よかった。

 

 僕のせいで、蓮奈が死ななくてよかった。

 

 

 言葉って…とてつもない力を持っているんだなって、改めて感じた。

 

 

 言ってしまったこと、そして言わないでいたこと。

 

 

 

 

 その日…僕は、蓮奈がそばにいてくれてよかったと、きちんと伝えた。

 

 好きって言葉もきちんと、はっきりと伝えたので、僕たちの交際が始まった。

 

 伝え方を間違えたり、伝えなくていいことや、優しい嘘は…ついても僕は、いいと思う。

 

 ただ、難しいことは…相手がどう受け止めるか、そして…これは違ったかな?って感じたとき、きちんと相手に納得してもらえるように、しなければならないってことだ。

 

 僕は、人の感情も料理だと考えている。

 

 料理は、味見をする。

 それと一緒で人に伝えたときに、表情をみて、違ったかな?って思ったら、言葉の出汁追加や変更すればいいのだ。

 

 

 ストレートに伝わるのが一番いいのかもしれないけど、僕は味見が必要な生き物だったりする。

 

 だから、これからも蓮奈にはストレート失敗したのならば、何度でも味変して挑戦して、一緒に美味しいカップルになりたいと思う。

 

 

 

 

 次の日、蓮奈はいつも通りに相沢さんと一緒にいた。

 

 

 よかった。

 

 相沢さんには、きちんと僕の気持ちを伝えた。

 

 蓮奈が好きだし、付き合うことになったと。

 

 相沢さんは、

「でしょうね。」

 って、笑った。

 

 

 

 よかった。

 

 相沢さんが笑ったのをみて、僕はホッとして、蓮奈の方を向くと蓮奈もにっこり微笑んだ。

 

 

 昨日とは、大違いなくらい今日は穏やかな日になりそうだ。

 

 

 

 おしまい。

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