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僕が幼馴染を殺しちゃう日  作者: 猫の集会


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4/6

落書きが…

 ちょっとプチ人気になった次の日、僕は朝からウキウキだった。

 

 だって、今朝母さんがおやつにクッキーを焼いておくって言いながら、見送ってくれたから。

 

 いつもは無愛想な僕だけど、今日は思わず笑顔で、うん!と返していた。

 

 無意識で、クッキーと聞いただけで笑顔になる僕って、チョロいって母さんは思ったかもしれないな。

 

 でも、いっか。

 

 美味しいクッキーが食べられるんだもの。

 

 母さんのクッキーは、甘さ控えめで歯応え充分だ。

 

 よく、ほろほろのクッキーが販売されているが、僕はほろほろよりもサクサクが好きなのだ。

 

 日の当たる教室でウキウキしていた。

 あぁ、早く放課後にならないかなぁ。

 

 少し浮かれて、足をぶらぶらとさせてしまった。

 

「なんか、楽しそうだね?」

 

 ⁉︎

 

 みられていた…

 

 うっかり足をぶらぶらしていたから、慌ててやめたところを…みられてしまっていたなんて…

 

 

「あ、ううん。別に…」

「ふーん」

 相沢さんが机にひじをつきながら、こちらをじっとみた。

 

 …

 

 や、やめてください…

 

 僕をじっとみないでください…って言いたいけど…僕にはそんなこと言えない。

 

 そんなに見つめて、オレのこと好きなのかよ?みたいな冗談がいえるくらいになりたいものだ。

 

 まぁ、そんな自信過剰なこと言えるわけもないけど。

 

 

 

 そんな朝からテンション上がりっぱなしな僕は、じっと耐えてやっと放課後を迎えた。

 

 

 家に帰るなり、バターの優しい香りがふんわりとしてきたので、クッキーがどこにあるのか、慌てて鼻をくんくんしながら目で匂いを追った。

 

 目で匂いを追うのは、無理だろ?って?

 

 まぁ、そうだ。

 

 あ!テーブルに瓶が置いてある!

 瓶の中に、たくさんのクッキーが詰められていた。

 

 しかも瓶が三個も並んでいた。

 

 母さん…作りすぎじゃないか?

 

 手洗って着替えて、さぁいただこうと瓶に手を伸ばすと、母さんが…

 

 ひとつ蓮奈ちゃんにお裾分けしてきてくれる?なんて言ってきた。

 

 …

 

 えー…

 

 僕たちは、同じクラスだけど…そこまで仲良くないんだけどな。

 

「いや?なわけないわよね?あなたたち、今でも仲良しだものね。お母さん、この前蓮奈ちゃんがうちに来たの知ってるのよ。だって、お母さんが玄関あけて、お出迎えしたんですもの。若いっていいわね♡」

 

 そう言いながら、瓶を渡された。

 

 …

 

 なにがいいの?

 

 よくわからないけど、強制的に渡されたなら、行くしかない。

 

 行かないなんて言ったら、母さんは…喧嘩でもしたの?なんて言い出しかねない。

 

「言ってきます…」

「はい、いってらっしゃい♡」

 

 …

 

 さっさと渡してすぐに帰ろっと。

 

 たぶん蓮奈は、まだ帰っていないだろう。

 

 だって、僕は超高速で帰って来たのだから。

 

 玄関をガチャリとあけて、蓮奈の家のインターフォンを押そうとした、その時…

 

「真守?」

 と、後ろから声をかけられた。

 

 ⁉︎

 

 蓮奈の声だ。

 

 タイミングー…

 

 わるっ‼︎

 

「あ…の…コレ」

 

 クッキーを差し出すと蓮奈がクスッと笑った。

 

「ごめんね。ワークの答え借りてる挙句に、クッキーまで。あ、ワークの答え今返すね」

 

 …

 

 気まずい…

 

 あの落書きは、なに?って言われないだろうか…

 

 

 蓮奈は、さっさと答えを取り出した。

 

「あ、じゃあ…僕帰るね」

「…うん。あ、待って‼︎」

 

 

 …

 

 きたー…

 

 地獄のお時間が…

 

 

「あのさ…答えに、落書きっていうか…ハートのやつかいてあった…んだよね。だから、消しといてあげたよ?」

 

 …

 

 消された…

 

 キモいから、消せと…

 

「あ、ごめん。でも、あれは…」

「知ってる。ザワがかいたんでしょ?」

 

 …

 

 ザワとは、相沢さんのニックネームみたいなものだ。

 

 一部の人たちは、相沢さんをそう呼んでいる。

 

 僕は、相沢さんって呼ぶ。

 

 …

 

「うん…相沢さんがかいた。」

「最近、ザワと仲良いね」

「いや…そういうわけじゃ…」

「ふーん。ま、いいや。クッキーありがとうね。おかあさんによろしくー」

「あ、は…い」

 

 気まずい地獄のお時間からようやく解放された。

 

 

 クッキーと引き換えに、こんな地獄時間をあじわうなんて…

 

 

 早く帰って、気分を入れ替えなきゃだ。

 

 

 

 続く。

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