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ネロ  作者: ナナシの文字
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第七話 脱出






「なんでこんな所に帝国の軍人がいるのよ!」


「おい。待て、よっ!」


僕たちの側に一瞬で移動した帝国の軍人の一人はもっていた剣を一振りし舞っていた煙を薙ぎ払う


「『風を発生させる魔法(ウィンド)』」


ヨルの手の平から風を呼び起こし僕とヨルの身体が後ろに吹き飛ばされる

受け身をとっている間に帝国の軍人たちは僕たちとの距離を詰めてくる


「貴方たち何者なのよ。」


ヨルが質問する


「ノスト帝国魔法使い二等兵アイン・ヴァルアだ。」


「同じくノスト帝国魔法使い二等兵マウリス・テッセイです。」


二人の帝国軍人はそう言った


「後ろに下がってライン。『炎の槍を放つ魔法(ファイヤーランス)』」


軍人は剣に『何か』を纏わせ降ってくる火の槍を弾き飛ばす

数本の火の槍を消滅させた後真っ直ぐに向かってくる

空中に配置された火の槍が放たれた


「多少荒いがこの術式……対魔物用の魔法か。だがこの俺には無駄だぜ?」


「そう。『地面を隆起させる魔法(ライジング)』」


軍人の中心に四方の壁が地面から飛び出し


「マジかよコイツっ!」


圧縮される


「ヨル……やったの?」


「『光で照らす魔法(ライト)』」


辺り一体が光によって照らされ僕たちの後ろに影が伸びていた


「あの、僕のこと忘れていません?」


明かりの発生源を見ると家の屋根の上にもう一人の軍人が見下ろしていた


「走ってライン。急いで!」


「言ってしまいましたね。それに暴れすぎですよ。生きていますか?」


「ああ!いきなり押し潰そうとしたのは流石の俺でもビビったが。お前の魔法で助かったぜ。」


「……私の魔法で確かに押し潰したのに。なんで生きているのよっ!」


「簡単な話です。僕が貴方の『岩を変形する魔法』自体を僕が発動者として書き換えただけですよ。」


「まさか逃げていたのはガキだったとは思わなかったなぁー!だがこっちは現役の『魔法使い』だ。拘束するのは手持ちがない。……死んでもらおう。」


「ウグッ……早く逃げなさい!早くしなさい!」


早く逃げろと手を振る合図を送ったヨルの首が締め付けられ僕自身もヨルを見捨てられなくて身動きができないでいた


「僕はヨルを置いて逃げれないよ!」


そのときヨルを首を絞めていた手に何かが飛来し爆発した

その衝撃でヨルの首から手が離れた飛来した方向にメイド服を着た誰かが僕のそばに着地した


「銃?いや魔道具か!」


飛来した方向にメイド服を着た誰かが着地し、帝国軍人と鍔迫り合っていた


「メイドさんが俺の相手をしてくれるのかい?」


「残念だけど間に合ってますの。」


軍人の重い体を蹴りながら剣を鞘にしまい

僕たちの体を両手で掴み、路地を抜け停めってあった車の中に押し込まれた瞬間車が発進し車体が揺れた


「メイデンさん!何でここに?」


ヨルの家が雇っているメイドさんがそこにいた


「ヨル様の魔力を感じましてね急いできたんですよ。」


「私、執事ネットのことも忘れないでくださいよ〜さ〜ん。」


「任せて下さい、私が守りますよ。」


「私も忘れないでくださいよ〜メイデンせんぱーい。……ちょっと本気で執事である私のこと忘れていませんか?」


一方メイドと執事に置いて行かれた帝国軍人は同じ路地を抜けるがすでに普通では追いつけないほど遠くに行ってしまったことが分かっていた


「なぁ、あの距離お前の魔法届くか?」


「届きませんね。それにアレ、魔道具で形成された車台ですよ。僕では当てても大して効果ありません。」


「なら、()()。」


「頑張って下さい。僕も後から追いつきます。」



――――――


「どこに向かっているんですか?」


「貴方もいたんですね。ライン様。」


「王国側にある東門。そこから脱出したします。現在どうなっているかは定かではありませんが、今は脱出経路がこれしかありません。」


「すごいスピードでこっちに向かってくるんですがアレって何ですか?」


「ネット、魔道具を貸しなさい。」


車の窓から銃を帝国軍人に向け放つ

放たれた弾丸は帝国軍人の体に直撃し、暴発した


「あっぶねーな!」


しかし暴発した煙の中からまだ走っている帝国軍人の姿が見えた


「……しぶといですね。本当に人間ですか?」


「あははは……貴方が言いますか?メイデン先輩。先輩の方が人間じゃないでしょう。」


「『地面を隆起する魔法(ライジィング)』」


突然目の前に壁ができ避けるために方向を切り変え停止する


「やっと追いつきました。飛行魔法は詠唱魔法が長すぎて後の衝撃で肩が凝ります。……あとで筋肉痛になるんじゃないかな。」


「……メイデン先輩。」


「――行きますよ。ネット。」


「メイデン、ネット?」


「私たちが足止めします。ネットが合図した瞬間レバーを引いて走らせて下さい。」


「ヨル様申し訳ありません。私は貴方を守らなければならないのです。」


その顔は何かを覚悟した表情だった


「必ず帰っていて。」「ええ、約束です。」


「初めて会ったけどラインくんだったかな。君とまた会って話がしたいよ。」


「はい。お願いします。」


僕はこう言うしかできなかった


「援護しなさい。ネット。」


「了解です。」


壁を出現させた帝国軍人一人めがけて剣を突き刺す

防御魔法を展開するが後ろから発射された銃弾が防御魔法を突き破り暴発する


「僕の防御魔法を貫通しますか。」


「今です!二人とも行ってください!」


もう一人の軍人が割って入り剣を振りかぶる

剣が交差しせめぎ合うがネットの銃弾が発射されまたもや暴発する


「最悪です。二人逃しましたし、僕の顔に傷が入りました。なんなんですか。貴方たちは。」


「唯一の逃走手段を手放すか……さすが、主人を守るのが従者の務めっていうことか?」


「いいんですか。私一人なら足止めできますよ。」


「なに言っているんですかメイデン先輩。私だって見習いですが執事の端くれ。主人のために命を掛けれるぐらい、大人になっていますよ。」


両者武器を構え、激突する






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