第十一話 知り合い
魔力が発散し魔力濃度が高くなっている場所に救援に行く
そこには『ゴーレム』の鉄の破片と家の残骸が飛び散り辺りに火の粉が振り荒れている
同時に置かれていたのはすでに魔力が一つもないただのモノと化した俺たちの同じ軍服を着た同志たちが無造作に置かれていた
「なんだよこれは!一般兵も飽き足らず『魔法使い』まで……『ゴーレム』の大破してやがる。大型の魔物でも通ったのかよ!」
交戦した後なのか家がボロボロに壊れており連射していたのであろう弾薬もそこら辺に散らばっている
一つの死体を見ても首に穴が開けられ確実にかつ最短で仕留められていた
魔導兵器に関しても厚い鉄の岩盤を貫通して爆破されている
そこは地獄のような世界が広がっていた
「助け……助けろ……お願いだ……誰か助けてくれ……!」
どこから掠れそうな声が聞こえてくる
「魔力探知が反応している。まだ生きているぞ!おい!ここで何があった!……よく見たらアレンじゃねーかよ。」
「誰じゃ?知り合いか?」
「はい。軍の学校時代の同期です。この作戦に参加していたとは知りませんでしたが……」
声のする方向に行くと瓦礫に寝そべりながら左腹に風穴が開けられ血が流れていた男がそこにいた
誰かが来たことが感じてほっとしていたが俺たちの顔を見た瞬間にげんなりした顔で目を逸らし空を見ていた
「はっ……なん……だよ。俺を見つけたのは厄介者のお前らかよ……俺もつくづく運がない……」
「てめっ……!」
つい殴りそうになった肩をフィーオスが止める
彼は俺を押し除けるように前に出ながら目線を合わせるように腰を折る
「重症ですね。アレン・ギソン……何があったんですか?」
フィーオスがアレンの目の前でしゃがみ回復魔法をかけながら尋ねる
「お前も相変わらず胡散臭そうな目だな……全部隊全滅。俺はそこにある魔法陣がある部屋から吹き飛ばされた。おいフィーオス。胡散臭い平民の回復魔法を使わなくていいぞ。」
「こんな状況になってまだそんなこと言っている余裕あんのかよ!」
「俺は死ぬ。」
全てを諦めたような顔でどこか遠くを見ていた
俺がこいつと出会って初めて見た顔だった
こいつ自身が死を覚悟していることが空気が読めない俺でもはっきりとわかった
「血を失いすぎた。傷が深かった。ただそれだけだ」
「……助けます。」
「フィーオス、これ以上俺に無駄な魔力を使うな。毛が生えた程度の回復魔法なんて、俺には意味がない。。」
回復魔法を行っているフィーオスの手を払いまた視線を戻し同じ方向を見ていた
フィーオスは回復魔法を諦め下を向いた
「おい、おい。生きるのにうざかったお前らしくねーなぁ。…………聞かせてくれ、いったい誰がこんなことをしたんだ?」
「……この俺、アレン・ギソンは作戦を行うためある一軒の部屋に侵入していた。」
側には訓練兵時代から一緒にいた二人と作戦開始まで身を寄せていた
「おい!どうするんだアレン!一旦逃げるか?」
しかし、作戦開始の爆破直後に配備された同期が襲撃されたという連絡が繋がり二人は混乱していた
「いや、俺たちの近くにも仲間がいる……状況を把握し、合流するのが先決だ。」
擦り切れた音がした方向に目を向けると
ドアが開けられそこに現れたやつは俺の視界に捉え瞼を閉じた後
目を開けると前から衝撃とお腹辺りに鈍痛を覚えながら向こうの道まで吹き飛ばされていた
その間ガラスを隔てた赤色の模様と二つの魔力が消えていくのが見えた
「襲撃者は一人のガキ……それだけしかいなかった。……だというのに。俺の上官も含めて生存者はもうここにはいない……もう俺も……俺の魔力も天に昇る。」
「……最後に何か言いたいことあるか?」
「へっ、へっ、へっ」とスカした笑いの後こう呟いた
「ざまーみろ。」
そう言った後ニヤリと笑いながら大きく息をしそれ以降動くことはなかった
身体はまだ暖かかった




