クレイフィッシュクライシス〜食糧生産コロニーの終わり〜
「ガキどもの手荷物と外来種への教育、生命の倫理及びメンタルのチェック」
俺は頭を抱えていた。
いくらコロニーの生態系修理屋として名高いだけのただのおっさんでもこれはやばい。
その原因は目の前のディスプレーにある。
『このコロニーの水の生態系は、ザリガニ、ザリガニ、ザリガニ、ザリガニ、ザリガニ』
バグっているかのように永遠とザリガニが続き、最後はそのクソを分解するバクテリアだ。
狂ってやがる。
ここは本来、子供達への生命倫理の教育と食糧生産を主とする宇宙コロニーだった。
のどかな地球にある日本という地域の農村地帯をモデルに農業、漁業をしていた。
けれども、ここに勉強にきていたガキどものためにと持ち込んだザリガニが逃げ出して、緑の波を打っていたイネの水田はヘドロ、綺麗な水路もヘドロという。
最悪な打撃を与えた。
水の中だからAIの目も届かねえから、気づいた時には手遅れ。
「本コロニーにいる皆様に大変残念なお知らせです。
本コロニーは廃棄します。
他の移住用コロニーの用意ができましたので移住をお願いします」
俺はコロニー全体に放送を流した。
ガキどもにからの不満が上がっているが構わず、俺はボタンを押す。
『ログアウト』
生態系コロニー経営VR実習は終わりだ。
ガキども。
「ザリガニがヤバすぎた」
「あんなにかっこいいからたくさん増えればいいと思って、おっきくしたりなんか色々遺伝子触ったらやばいのできて手に負えなく怖かった。」
「酸素が少なくなって酸欠になりかけた。」
「水の近くの匂いがやばかった。」
ガキどもに外来種の恐ろしさを教えるなら、VRで十分だろ。
この実習に受かれば晴れてコロニーの生態系修理屋の見習いになる。
諦めずに受かるまで何回でもすればいい。
諦めて別の道を探してもいい。
ノリと勢いで書きました。
ザリガニ、宇宙進出したらヤバそう。
続き書くなら、コロニーがザリガニに支配されるまでの経緯を書きたい。
もしくはコロニーの生態系修理屋さんの話